【虎のソナタ】肉眼に負けた…1万円双眼鏡 オリから加入した小林を即答 - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】肉眼に負けた…1万円双眼鏡 オリから加入した小林を即答

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オリックスからトレード移籍した小林(右)が初昇格。秋山(左)となにやら話し込んでいます  雨のち曇り。ではなく、自慢のち、しんみりでした。

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 「そりゃ、俺のはええヤツですから」

 朝から小雨が降っていた甲子園球場。内野にはシートがかけられていて、試合前の練習は室内練習場で行われました。「密」を避けるために、アップとキャッチボールのときは投手陣だけが球場の外野に出てきます。その瞬間、ベテラン三木建次が、隣にいたトラ番サブキャップ安藤理に声をかけたのです。

 「おい、ピッチャー、えらい入れ替わってるぞ!!」

 コロナ禍で、室内練習場は代表取材。入れないトラ番は記者席からグラウンドの練習を見ます。このときの必需品が双眼鏡。各自持っているのですが、キャップ大石豊佳のそれは「ドン・キホーテで買った2000円」。織原祥平は「近所のスーパーで1000円くらい」なのに対し、ビヤ樽自慢の愛機は「PENTAX8×24。買えば1万円以上する」。

 倍率8倍。100メートル先の外野にいる選手が12・5メートルの距離で見える。捕手が投手を見るよりも大きく見える(バッテリー間は18・44メートル)。しかもレンズを通して見る景色が明るい。一度借りたことがある織原によると「僕のと比べたらピントもすぐ合うし、ものすごくクリアでした」。そりゃすぐ気づくはずだ。ただ、そのあとが…。

 「桑原がいる。浜地がいる。あと一人…あれ? 知らん顔がおる」

 「知らん顔じゃなくて。背番号56だから、飯田優也とのトレードでオリックスから加入した小林慶祐ですよ」

 はい、1万円より安藤の肉眼の方が早かったのです。

 「一度に3投手の入れ替えは珍しいですよね。連戦の中でリリーフ陣の登板が増えているし、フレッシュなメンバーで、ということなんでしょう。きょうは完投が一番期待できる西勇輝投手だから、救援陣が楽になるようなピッチングをしてほしい」

 隣のビヤ樽は双眼鏡をのぞいたまま「…」。黙っています。肉眼に負けたから、ではありません。

 「能見がおらん」

 前日プロ初先発して“投げ抹消”になった斎藤、防御率4・58の望月とともに、能見の姿がグラウンドになかったからです。三木は能見がエースだったときから取材しています。

 「最近は、急な出番も多くて打たれとったからなあ。けど、体形も昔のままで140キロ台中盤がいまでも出る。ブルペンで肩ができるのも早い。きょう昇格した3人は全員右だし、能見の力はまた必要になる。俺と同じタイプだし、頑張ってほしい」

 俺と同じタイプ?

 「中継ぎは、自分に勝ちがつかなくてもチームのために頑張るポジション。俺も、大石キャップの指示のもと、若手と同じように走り回っている」

 自分で言うか。話題を変えよう。

 「打線も、2番に梅野を入れる思い切った策をとっています。起用が当たるといいんですが」

 キャップ大石の思いはかないました。安藤が期待した西勇も散発4安打で完封。次はビヤ樽が願う能見の復活もきっと…。それはそうと、仕事のためとはいえ、1万円以上はすごいな。

 「実はこれ、当たったんですよ。昔、ある球団の懇親パーティーに出たときのビンゴ大会で」

 だから、「買えば」だったのか。

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