DeNA・佐野、巨人待った3差弾!プロ入り後初観戦の明大・善波前監督に成長見せた - SANSPO.COM(サンスポ)

DeNA・佐野、巨人待った3差弾!プロ入り後初観戦の明大・善波前監督に成長見せた

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佐野が五回に勝ち越し2ラン。チームを2位浮上に導いた(撮影・戸加里真司)  (セ・リーグ、ヤクルト4-5DeNA、8回戦、DeNA4勝3敗1分、8日、神宮)DeNAは8日、ヤクルト8回戦(神宮)に5-4で競り勝った。新4番の佐野恵太内野手(25)が、三回に同点打、五回にはバックスクリーンを直撃する決勝の7号2ランの大活躍。明大時代の恩師、善波(よしなみ)達也前監督(57)が観戦するなか、2安打3打点でリーグトップの打率が・358に上昇した。チームは2位に再浮上し、首位・巨人に3ゲーム差まで迫った。

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 DeNAの新4番が、神宮の夜空にアーチを描いた。同点の五回2死二塁、佐野がフルカウントからヤクルト先発、小川の12球目を捉えた打球は、バックスクリーンを直撃した。響き渡る衝撃音に4992人の観衆がざわついた。

 「粘りながら集中力を切らさずにいけました。ツーストライクだったので、コンパクトに三振しないようにしました」

 決勝の7号2ラン。1-2の三回には中前へ同点打を放ち、勝利へ導く2安打3打点の活躍だ。

 「神宮は大学(明大)時代にプレーしていたし、相性も悪くないので、いいイメージでやれます。雰囲気がいいですよね」

 今は敵地となった神宮。入団3年目の2019年4月4日に、シーズン1号となる代打満塁弾を放ったのも神宮のヤクルト戦で、一気に飛躍のシーズンとなった。今季も神宮では21打数10安打(打率・476)。大好きな学生時代の主戦場で今季打率もリーグトップの・358に上昇し、安打数58もトップだ。

 たくましく成長した25歳をバックネット裏から温かく見守っていた人がいた。前明大監督の善波氏が佐野のプロ入り後は初めて観戦していた。恩師によると、大学時代の佐野は1学年先輩の坂本(現阪神)の後釜となる捕手候補だったという。だが、送球難に陥り、一塁に専念。打撃に集中することで、才能が開花した。

 16年秋のドラフトで、支配下選手では87人中84番目、セ・リーグでは最後のD9位でDeNAに指名された。「順位は低いけど、入ってからが勝負」と代打の切り札から徐々に結果を残し、昨季終盤からスタメン機会も増えた。そして今季からは米大リーグ、レイズに移籍した筒香の“後釜”に指名された。

 「善波監督に元気に野球をやっている姿を見せることができてよかったです」。試合中は観戦していることを知らなかった佐野だが、プロへ導いてくれた恩師へ、バットで“恩返し”を果たした。

 「チーム全員で勝ち取った勝利だと思います。ずっと優勝を目指している。これからも勝ちに貢献できるように頑張りたいです」と責任感たっぷりの佐野。7月28日には最大6・5ゲームあった首位・巨人と3ゲーム差まで縮め、2位に再浮上した。倒すべき王者の背中は、少しずつ見えてきた。(湯浅大)

 ★その時

 ネット裏から熱い視線を送っていた善波氏は、「きょう来ていることは知らせていないんです」と笑った。「打率トップなど好調のときに、私が見ていて4タコ(無安打)だったらどうしようかという気持ちもあったけど。いやー、立派な4番ですね。成長するもんですね。本当にきれいなアーチが見られて、よかった」と頼もしくなった教え子の姿を見届け、満足そうに帰路についた。

 ★佐野恵太(さの・けいた)という男

 ◆生まれ 1994(平成6)年11月28日生まれ、25歳。岡山県出身。

 ◆球歴 広島・広陵高から明大を経て2017年にドラフト9位でDeNA入団。

 ◆憧れ 4番&主将の前任者・筒香嘉智(現レイズ)で「ああいう存在になりたい」。

 ◆愛読書 コロナ禍にサッカー元日本代表・長谷部誠の『心を整える。』、パナソニック創業者・松下幸之助の『道をひらく』を読み「世界観が広がった」。

 ◆日記 主将就任が発表された1月25日からの日課。チームビルディング(構築)に関わる元早大ラグビー部監督、中竹竜二氏に勧められた。

 ◆成績 今季は43試合に出場し、打率・358、7本塁打、28打点。通算は223試合に出場し、打率・291、17本塁打、76打点(8日現在)。

 ◆サイズなど 178センチ、88キロ。右投げ左打ち。既婚。年俸2400万円。背番号44。西武などで活躍した佐々木誠氏のおい。

 ■データBOX

 〔1〕DeNA・佐野が2安打を放ち、1試合複数安打は両リーグ最多の20度目となった。DeNA(前身球団を含む)の選手が出場43試合で複数安打を20度記録したのは、2008年の内川聖一以来12年ぶり。左打者では1999年の鈴木尚典(21度)以来21年ぶり。内川は43試合時点で打率・388。シーズンで複数安打を60度(球団タイ記録)マークし、最終打率・378で首位打者を獲得。鈴木は43試合時点で打率・370。シーズン複数安打は49度、最終打率・328でリーグ3位だった。

 〔2〕佐野の複数安打はシーズン最終55度ペース。維持できれば、球団では17年の宮崎敏郎(・323)以来の首位打者も見えてくる。

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