寺島、お待たせプロ1勝!ヤクルト、4時間超熱闘制した - SANSPO.COM(サンスポ)

寺島、お待たせプロ1勝!ヤクルト、4時間超熱闘制した

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寺島(右)がプロ4年目で初勝利。長く指導してきた高津監督(左)にとっても、うれしい白星になった(撮影・長尾みなみ)  (セ・リーグ、中日1-2ヤクルト=延長十回、4回戦、2勝2敗、7日、ナゴヤD)ヤクルトは7日、中日4回戦(ナゴヤドーム)に延長十回、2-1で勝利。1-1の九回に登板した寺島成輝投手(21)が1回を1安打無失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。大阪・履正社高から2017年にドラフト1位で入団して4年目。ここまで期待に応えることができなかった左腕が、念願の初白星。4時間4分に及んだ激戦。7投手の継投で1点に抑えての勝利に貢献し、チームを再び貯金生活へと導いた。

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 天に届け-。1-1の九回。緊迫した場面で、寺島はマウンドに上がった。無観客の静寂の中、1回を1安打無失点。念願のプロ初勝利を手にした21歳は喜びをかみしめ、言葉を紡いだ。

 「(4年も)かかってしまったんですけど、(勝利球を)石山さんから渡されたときは、本当にうれしかったです」

 苦しさ、悔しさ、全ての感情を球に乗せた。先頭の代打・石川駿を右飛。続くA・マルティネスに左前打を浴びたが、阿部を右飛、大島をカットボールで空振り三振に抑え、汗をぬぐった。

 仲間の思いをつないだ。先発スアレスが6回無失点。その後清水、マクガフ、長谷川、梅野が1失点で運んできたバトンを九回に受け取り、守護神の石山に渡した。

 やっと、だ。履正社高時代に『高校ビッグ4』の一角として注目された左腕は2017年にドラフト1位で入団、背番号18を与えられた。だが他の3人(西武・今井、楽天・藤平、広島・高橋昂)が白星を挙げる一方で、故障に泣き、2軍でも結果が出ない。懸命に取り組んでいても、期待の大きさから「本気でやっていない」と思われたこともあった。

 常に言い聞かせたのは「自分は自分」。めげずにもがいた。150キロに迫った速球だけでなく、変化球や制球力も身につけた。1年目から2軍監督として見てきた高津監督は「悔しい思いをして、歯を食いしばっている姿を見てきた。ちょっとずつだけど成長している」。今後も救援で起用するが「左のエースとか、そういう存在になってほしい」と望んだ。

 寺島には喜びと、感謝の思いを届けたい人がいる。天国で見守ってくれているおじいちゃんだ。母・浩江さん方の祖父、安井凱夫(よしお)さんが昨年12月20日、81歳で亡くなった。埼玉・戸田寮で父・明宏さんから訃報を伝えられ「電話越しだったので『え…』と。実感がなくて、半分信じられない感じでした」。葬儀に合わせて帰郷し、最期のお別れをした。

 「成輝が勝つところを見るまで死ねへん」と鼓舞してくれた凱夫さん。棺の中で、自身が贈ったヤクルトのウエアを羽織って眠る姿を見て、「勝つところを見せられなかった申し訳なさがあって。遅いですけど、『どこかで見てくれている』と心の中で思って、より一層頑張ろうと思いました」と誓った。

 今季は6試合に救援登板して自責点0。その粘りの投球の繰り返しが打線にも通じ、延長十回に井野の押し出し四球による決勝点が転がり込み、貯金も「1」とした。

 「本当に必死なのでこれからも継続していきたい」と寺島。ここが新たなスタート地点。おじいちゃん、いつまでも見守っていてください。(赤尾裕希)

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