【鍵を握る男たち(6)】ノムさん超えパ最速450号へ西武・中村&高卒2年目以内1軍初アーチへ巨人・山下 - SANSPO.COM(サンスポ)

【鍵を握る男たち(6)】ノムさん超えパ最速450号へ西武・中村&高卒2年目以内1軍初アーチへ巨人・山下

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 本紙データ班・小川真幸記者(42)が、記録から浮かび上がる今季のキーマンを紹介する連載の最終回は、巨人・山下航汰外野手(19)、西武・中村剛也内野手(36)。若き期待の星とベテランのホームランアーチストに注目した。

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パ・リーグ最速での450号達成が懸かる中村。今季も豪快なスイングを見たい!

 ★メットライフ200号まであと4本

 西武・中村は昨季まで1664試合に出場し、歴代16位の通算415本塁打をマークしている。通算450本に残り35本。今季中の達成なら、到達スピードで1970年の南海・野村克也の1864試合を抜いてパ・リーグ最速(プロ野球では5番目)となる。

 昨季は8月に2年ぶりの4番に座ると、38試合に先発し打率・304、10本塁打と活躍。4番に座る前のチーム成績は52勝50敗1分け、勝率・510だったが、座った8月11日以降は28勝12敗、同・700と急上昇。期間中に勝利打点をチームトップタイの6度記録するなど、最大8・5ゲーム差からの逆転優勝に大きく貢献した。

 4番では通算246本を記録。今季も4番を任されれば、球団歴代2位の清原和博の265本(1位はカブレラの271本)の更新もある。

 また、本拠地・メットライフドームでは196本を放ち、200本まであと4本。同一球場での200本以上には、後楽園での王(巨人=413)と長嶋茂雄(巨人=232)ら球界のレジェンドたちが並ぶ。

 ★担当記者の目

 栗山とともに野手最年長の中村は、昨年8月から2年ぶりの4番に座り、勝負強い打撃でリーグ連覇に貢献した。プロ19年目の今季は、キャンプ前に右ふくらはぎの張りで2軍スタートと出遅れたが、1軍復帰となった3月3日の中日とのオープン戦では「1番・DH」で先発出場。先頭打者初球本塁打を放つなど、いきなり結果を残した。

 オフにはチームの後輩、山川の3年連続本塁打王の阻止を今季の目標の一つに掲げ「取らせないように頑張ります。まずは、僕がそのレベルまでいかないといけない」と意欲。過去6度の本塁打王に輝いた大砲が、後輩の“壁”となることを誓った。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕延期となり、開幕の見通しがつかない異例の状況だが、ベテランは「開幕が決まれば、体調面はそこに100%を持っていけるように努力する」と泰然としたもの。リーグ3連覇へ、チームを引っ張る決意だ。(西武担当・樋口航)

中村 剛也(なかむら・たけや)

1983(昭和58)年8月15日生まれ、36歳。大阪府出身。大阪桐蔭高から2002年ドラフト2巡目で西武に入団。通算20本の満塁本塁打はプロ野球記録。本塁打王6度、打点王4度、ベストナイン7度。昨季成績は135試合で打率・286、30本塁打、123打点。通算成績は1664試合で打率・256(1467安打)、415本塁打、1166打点。175センチ、102キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸3億5000万円。背番号60。


躍進が期待される山下。高卒2年目で、さらなる“出世”を狙う

 ★育成入団から昨季イースタン首位打者

 高卒2年目の巨人・山下は1年目の昨季、イースタン・リーグで打率・332を記録し首位打者を獲得。高卒1年目に2軍で首位打者に輝いたのは、1992年のオリックス・鈴木一朗(イチロー)以来と飛躍が期待される若手の1人だ。

 昨季、育成ドラフト1位で入団し、7月5日に球団初となる高卒1年目での支配下登録を果たした。2軍では5月に打率・378(82打数31安打)、8月には同・490(49打数24安打)と結果を残し、8月29日の広島戦で1軍デビュー。9月4日の中日戦ではプロ初安打を記録するなど12試合(打率・167、12打数2安打)に出場と足跡を残した。

 巨人で高卒2年目に飛躍を遂げた野手といえば、近年では2008年に144試合に出場した坂本勇人が挙げられる。坂本は1年目に1軍で4試合に出場し、プロ初安打をマーク。2年目にプロ初を含む8本塁打を放った。

 山下はまだ1軍での本塁打はなし。巨人で高卒2年目以内の選手が本塁打を放てば、15年の岡本和真(1年目=1本)、左打者では94年の松井秀喜(2年目=20本)以来となる。

 ★担当記者の目

 群馬・高崎健康福祉大高崎高時代は通算75本塁打を放った山下だが、守備(一塁、左翼)に難があるとの評価もあり育成契約での入団となった。支配下登録を逃し「悔しさしかなかった」と反骨心を胸に早々の“出世”を果たした。

 高校時代の練習で積極的に木製バットを使っていたことから順応が早かった。抜群のバットコントロールを武器に、昨季の1年間で評価を変えてみせた。

 注目株となった今も、丁寧なあいさつや取材対応は変わらず。一方で、19歳と思えない落ち着きがある。同い年の同僚選手も「今まで会ってきた同い年で一番、大人」と証言するほどだ。

 高校時代から毎晩、野球ノートを書くのがルーティン。けがをしていなかった時期はジャイアンツ寮で毎晩のように打ち込んでいたとも聞く。

 右太もも裏肉離れで春季キャンプはリハビリ組で過ごしたが、既に回復。今年1月に原監督に正一塁手候補として名前を挙げられたように、大きな期待を寄せられている。(巨人担当・谷川直之)

山下 航汰(やました・こうた)

2000(平成12)年11月15日生まれ、19歳。大阪府出身。群馬・高崎健康福祉大高崎高では2年春に選抜大会に出場。高校通算75本塁打。19年育成ドラフト1位で巨人に入団。球団の育成選手では初の高卒1年目に支配下登録。イースタン・リーグでは90試合に出場、打率・332で首位打者を獲得(7本塁打、40打点)。1軍成績は12試合で打率・167、0本塁打、0打点。174センチ、83キロ。右投げ左打ち。独身。年俸600万円。背番号99。

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