【虎のソナタ】「虎の希望」藤浪よ頑張れ! - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】「虎の希望」藤浪よ頑張れ!

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消毒のため、虎風荘には作業員が続々と入っていった  トラ番のサブキャップ安藤理は1軍は久しぶりの“休養日”なので、はてさて、何を1面にするか…でいささか頭が痛かった。それでなくても…逆さにしても鼻血もでない…という無粋な無観客の試合が続き、その静寂ゲームだと、我らが阪神はとてもシビアなゲームをやってくれるのだ。

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 さて何か“新鮮でおいしい材料”でも仕入れるか…となるが、このところ動きがないのだから正直いって、こうなりゃ鳴尾浜での対ソフトバンク2軍戦からトレトレピチピチのネタでも探すか…と腹をくくって安藤は朝の阪神電車に乗った。

 そこに2軍戦取材の菊地峻太朗記者から電話である。声が沈んでいる。

 どうした。

 「アノ、試合は中止です」

 何ッ、こんなイイ天気なのにか。

 「それが阪神球団からの発表で、ある投手がPCR検査を受けるらしいんです」

 肝心な部分は紙面でお読みいただくとして、新型コロナウイルスの兆候の一つとして、匂いが感じられなくなることがあるらしい。こっちは連日、面倒くさそうに出してくださる奥方の手料理をいただいているから…もう匂いなんかはとっくの昔にあきらめて、ほぼ毎日「無嗅覚料理」で我慢してるから知らなかったけれど、これはちょっと心配だ。それで藤浪投手も気になって球団に相談したらしいが、他に2人の選手が「最近は味覚を感じない」となって球団は仰天。改めて検査をすることにしたというのだ。

 この場合、安藤はとっさに「これはただ事ではない」として運動部長大澤謙一郎の携帯に大至急連絡をとったら、ちょうど出勤途中の大澤が腰を抜かして「ナヌッ、それで君らは大丈夫なのか!」と叫ぶ。「これから取材が大変になるので、スタッフを緊急増員してほしい」と言ったつもりなのに、その人員要求は通らなかったらしい。大澤は出社するや臨戦態勢に入っていた当番Dの阿部祐亮とともに動いたが、いつの間にか「緊急トラ番増員」はコロッと忘れて…。

 つまりそれほどドキッとさせられる話なのだ。春季キャンプで試行錯誤を繰り返し、無観客で行われた実戦の中で登板を積み重ね、藤浪投手の復活へ希望の光が見えてきたところだった。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が見えないものの、藤浪の“復肩”がリーグ優勝の鍵を握っているのは間違いない。ファンの皆さまだけでなく、実は筆者も「藤浪よ、今季は頼むで!」と大きく期待していたからだ。

 検査を受けるというだけで、編集局長畑恵一郎を中心にして編集局は大忙し。「陰性」であることを心から祈っていたが…。

 大リーグのエンゼルスで二刀流復活に挑む大谷翔平と、エース復活の道を必死に踏みしめていく藤浪晋太郎とは同い年。2013年のドラフト同期。それだけに思わず「頑張れ!」と叫びたくもなった。

 若い時から苦労した米の詩人ホイットマンはこういっている。

 「寒さにふるえた者ほど太陽の暖かさを感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る」と。今、新しい境地に踏み込んだ日本の若者2人が、それぞれの“青春のリハビリ”に挑んでいく。それすらも…天は突き放すのか!

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