ヤクルト・石川、大学時代の「寝ピク」エピ語る 歌舞伎・坂東彦三郎との対談 完全版 - SANSPO.COM(サンスポ)

ヤクルト・石川、大学時代の「寝ピク」エピ語る 歌舞伎・坂東彦三郎との対談 完全版

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燕党の坂東彦三郎が石川を直撃。今季にかける意気込みなどを聞き出した(撮影・長尾みなみ)  サンケイスポーツ27日付東京版に掲載した、歌舞伎俳優、坂東彦三郎とヤクルト・石川雅規投手との対談。その「完全版」をお送りします。

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 彦三郎 キャンプは順調に消化できましたか。

 石川 天候がよくて、僕自身もチームもすごく順調。実績や年齢でご飯を食べられる世界じゃないですが、昨年の勝ち頭が僕っていうのも、チームとしてはよくないと思う。ただ僕自身は現役である以上は先発ローテーションの中心で回っていたい。

 彦三郎 はい、回ってください。いっぱいこれ(19のユニホーム)を着たいんで…。

 石川 ありがとうございます。7回、8回、完投というピッチャーじゃないんで、5、6回を投げてしっかり後ろのピッチャーに回す。コンディションの維持をしっかりしていきたいですね。

 彦三郎 若手はどうですか。

 石川 ヤクルトはすごく和気あいあいというか。勝っていればそれで済みますけど、勝てなくなるとそれがなれ合いに映るところも

 彦三郎 マイナスのイメージになりますね。

 石川 はい。高津監督、斎藤コーチが来られて、僕たちがメリハリをつけてやりやすい環境を作っていただけている。あとは僕らがグラウンドで結果を出すしかない。

 彦三郎 40歳という年齢は、NPBの現役選手では誕生日が上から7番目。でも僕らが子供のころに比べて「40歳」のイメージは変わっていますよね。

 石川 プロに入ったころ、40歳の選手って、ものすごくおじさんのイメージがありました。でも亮太(五十嵐)がいて、その次が僕なので。何とか頑張って若くいようとは思っています。気持ちが“おじさんだから”となってしまうと、そうなっていくので、

 彦三郎 200勝へのこだわりは。

 石川 これ以上ない素晴らしい目標だと思います。宮本(慎也)さんにもそこを目指せと言っていただいています。山本昌さんも40歳を過ぎてから50勝近く勝たれている。そういう先輩方を前にして、自分が“40だから”と決めつけるとその先がない。何とか、一つ一つの積み重ねでやっていきたいですね。

 彦三郎 石川さんの大学時代の同級生から情報を仕入れてきました。

 石川 なんですか!?怖いですね

 彦三郎 大学に入ったころはガリガリのヒョロヒョロで先輩たちにいじり倒されたという…。甲子園に出ているのに?

 石川 実績はそうですけど。身長は今ぐらいでしたけど、体重は55キロぐらいしかなくて。中学生、下手をしたら小学生高学年ぐらい。先輩にいじっていただきましたね

 彦三郎 それはプラス?

 石川 僕も秋田出身で、東京は怖いところだなって…。

 彦三郎 東京、怖かったんですね。

 石川 本当、最初に大学のセレクションで東京に来たときに、山手線に初めて乗ったんですよ。グルグル回っているってよくわからなくて。どんどん電車が来るんで、どれに乗っていいかわからなくて、5本ぐらい待ちましたよ。それはびっくりしましたよ。みんな歩くの速いし…。

 彦三郎 スワローズにも秋田出身者はいましたよね。藤田太陽さんとか。

 石川 はい。でも太陽って、僕の田舎からしたらシティーボーイですよ。僕のところって信号ないですもん。一応秋田市内ですけど、山と田んぼしかないので。ちょっと夜怖いかな。太陽とはちっちゃいころから本当に仲が良くて、切磋琢磨できていましたね。

 彦三郎 ところで大学のキャンプは鹿児島の指宿で。ホテルからグラウンドまで30分もランニングをして、苦しくて吐いても、その後で300球も投げたとか。

 石川 すごい情報ですね、ホント、誰ですか? 今じゃ無理ですね。でもその時思ったのは、疲れている中でしっかりした投げ方、体の使い方をすると、大きな負担なく投げられる。それはつかめたかな。投手は同じ動き、再現性が大事。同じ動きで同じ場所に投げられる。その再現性を高める練習は、投げ込むしかないんです。

 彦三郎 中高生のころではなく、大学で投げ込みができた

 石川 成長するのに年齢的にいい時期にはまったんです。大学時代がなければ今はないです。シンカーも大学で覚えたんですが、それがないと今の自分はない。一つでも歯車が狂えば、例えば人との出会いでも、この人がいなければ今はないというのもあります。

 彦三郎 春のリーグ戦の直前にシンカーを覚えたんですよね。

 石川 シンカーも急遽覚えたというか、リーグ戦前にこのままだと打たれるなと思って、コーチとかいろんな人に握りを聞いて、いきなり、試合で投げちゃえと思って投げたら、はまったんです。おお、落ちてる! って。バッターのタイミングがずれる感じが独特で、崩れるようだったので、面白いなって。

 彦三郎 神宮球場には東横線で通われていた。帰りの電車で爆睡して、「寝ピク」して前に立っていたおじさんの足を蹴っ飛ばして、怒られた

 石川 誰に聞いたんですか? すごいなあ。  (と、ここで青学大同期選手の実名を1人挙げ、鮮やかに正解。今度は彦三郎さんが驚く)

 その話、本当です。寝ピクが激しくて、ポコッて蹴っちゃったんです。ホント、おじさんに申し訳なかったです。疲れてたんです。いっぱい投げて疲れてたんです。

 (同行記者が、あと1イニング行きたい、投げたい気持ちとの折り合いの付け方を尋ねた)

 石川 正直折り合いはつかないです。うーん、4回3分の2だとか、八回を投げて九回も行きたいとか、正直ありますよ。ただ難しいのは、僕らはチームでやっていて、監督、コーチの考えは絶対というのは、小さい頃から変わらない。

 プロは個人事業主という考えもありますけど、チームとして動いている以上、自分の我を通してもしかたない。悔しい思いはすごくありますけど、だったら自分で、抑えたら最後まで投げさせてくれる、そう思ってやるしかない。

 彦三郎 交代後に、後を託した若い投手が打たれることもあります。どんな言葉を?

 石川 「気にすんなよ、いい経験したじゃん」って、それだけです。打たれたくて、打たれたわけじゃない。僕らは予習復習反省を繰り返して次のゲームに向かう。ましてや中継ぎの選手は明日もゲームがある。切り替えるのも大事なので、そこは乗り越えていかないといけない。だから「いい経験したな」ですね。怒るところではないですし、これが野球だと思う。

 彦三郎 最後に、2020年はどうなりますか?

 石川 変則日程は、みんな初めて戦うもの。高津監督を胴上げ、というのはみんな思うところ。でももう一つ、今年は青木がものすごくチームをまとめて引っ張ってくれているので。まあ下馬評は低いですけど…。それをひっくり返すのが面白いだけの話。

 彦三郎 それを見たいのが、僕らです。

 石川 スワローズのファンはみんな優しいので。

 彦三郎 強く言った方がいいですか。

 石川 ええ、もちろん言っていただいていいです。僕らは結果出してなんぼなんで。でも、その優しさに甘える時もありますけどね。

 彦三郎 ハハハ、上しかないですからね。

 石川 もう、上見てやるしかないので、いい年にしたいです。

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