【球界ここだけの話(1885)】巨人春季キャンプで後藤コーチが導入した“黒い棒”の秘密 - SANSPO.COM(サンスポ)

【球界ここだけの話(1885)】巨人春季キャンプで後藤コーチが導入した“黒い棒”の秘密

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練習に臨む巨人・吉川尚  巨人が今年の春季キャンプから打撃練習で“新兵器”を導入している。長さ160センチの細長い黒い棒だ。バットと違って拳3つ分ほど空けた状態で両手で握り、インパクトのところでビシッと止める。正確に振ると、先端からしなる様子が確認できる。

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 「ヘッドを抜く(走らせる)ことが体感できる」と説明するのは、後藤孝志野手総合コーチ(50)だ。同時に、バットを内から出す感覚や、体の開きも修正できる優れものだという。「俺たちの時代は『腕を返せ(かぶせろ)』といわれたけど、今の時代はそうじゃないから。最後はやっぱり『しならせて抜く』ことが大事」と同コーチ。手首をこねる悪癖も改善できそうだ。

 大リーグから“直輸入”した。1月後半、都内でスタッフ会議を終えると、後藤コーチはキャンプインまでの1週間ほどの日程を使って米・アリゾナへ飛んだ。かつてヤンキース傘下にコーチ留学した際のつてを頼り、インディアンス、カブスに“潜入”。そこで長い棒を発見し、早速キャンプで取り入れた。

 野球用具メーカーの製品ではない。帰国後に都下のホームセンターに足を運び、1本1500円で購入。もともとは多目的に使われるパイプで、1本あたり100円を追加して適切な長さにカットしてもらった手作りだ。同コーチは「選手は感覚的にすぐに分かってくれる」とうなずく。

 別の新たな発見もあった。「米国ではフラットスイング。フライボールは聞かなかった」。近年のメジャーではアッパースイング気味にフライを狙い、本塁打や長打を狙う「フライボール革命」がもてはやされたが、技術や理論は日進月歩。野球の本場に行くことで、最新のトレンドを肌で感じることにも成功した。

 原監督は「オフの間に温めていたものを選手に伝えてくれている」と目を細める。球団幹部によると、今回の渡航費や滞在費などで数十万円はかかったであろう費用はすべて後藤コーチの自腹だったというが、同幹部は「費用も含めて、球団としてしっかり派遣できるようにしたい」と今後、研修体制を整える予定という。キャンプでは特に岡本、大城、小林らが熱心にパイプを振る姿が目立ったが、シーズンの成果につながるか。(伊藤昇)

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