阪神D2位・井上、デビュー弾!代打で初打席しかも初球 平田2軍監督「ド肝抜かれた」 - SANSPO.COM(サンスポ)

阪神D2位・井上、デビュー弾!代打で初打席しかも初球 平田2軍監督「ド肝抜かれた」

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衝撃デビューを果たした井上。未来の4番がひと振りで期待感を膨らませた(撮影・門井聡)  阪神2軍春季キャンプ(15日、高知・安芸)これ以上ない衝撃デビューだ! 高知・安芸の阪神2軍キャンプに参加中のドラフト2位・井上広大外野手(18)=履正社高=が15日、四国銀行との練習試合(安芸)で実戦初出場。四回に代打で登場し、初球をとらえて左翼に特大アーチを放った。2打席目は適時打で2安打3打点。昨夏、母校を初の甲子園Vに導いた大砲が、その桁違いのポテンシャルをいきなり見せつけた。

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 午後2時6分。これぞ長距離砲という美しい放物線に、気温18度の安芸が一気にヒートアップした。井上がプロ初打席初球ホームラン。拍手喝采、1600人のファンが歴史の証人だ。

 「正直緊張していたんですが、小幡さんに『どんな球でも1回フルスイングしたら緊張がとれるから』と言われて。自分のスイングを心掛けました。いい軌道、弾道で上がってくれました」

 試合直後からタイミングをとって素振りを繰り返し、準備万端で迎えた四回。5-2の1死二塁で代打で登場した。拍手が鳴り終わらない初球、左腕の真っすぐを完璧にとらえた。打った瞬間の一撃は、左翼防球ネットに直撃する推定120メートル弾。三塁を回る瞬間、中村ベースコーチに「やっちまったな!」と声をかけられ、笑顔が弾けた。

 六回1死一、二塁の2打席目は、1ボールから右腕のスライダーをライナーで中前適時打。「2打席目は緊張もなく、だいぶよかった。いい感じでヘッドが立った。そこでこねたら、ゴロになるので」。前日には歴代2位の657本塁打を放った故・野村克也氏の連続写真をチェックしたばかりだが、しっかり課題の「ヘッドを立てる」を実践し、2安打3打点でお役御免だ。

 昨夏、履正社高を全国制覇に導いた高校通算49発の大砲。昨年11月に右足首を捻挫した影響で高卒新人5人の中で一人だけ出遅れ、8日に全体練習に合流したばかりだ。しかもこの日は阪神電鉄の秦雅夫社長が安芸を電撃訪問。「安芸は久しぶりです。ちょっと(若手を)見にこようかなと」と話していたが、そこで打つのもスターの証。平田2軍監督は「驚いたね。ド肝を抜かれた」と目を丸くした。

 「ひと振りで仕留めるんだもん。たいしたもの。準備と集中力があってのこと。2打席目のヒットも見事だったね」

 今キャンプで密着指導する井上を「力のある新井のお兄ちゃん(貴浩)」と評していた和田テクニカルアドバイザーも「見事だよ。いま練習では調子がよくないが、実戦になると変わるのは非凡。懐が深く、バットを広角に出せる。得点圏で外寄りのスライダーを打った2打席目が、より評価できる。北川、日高コーチが一生懸命やっている成果」と驚嘆した。

 「打席に入る前、すごく拍手をもらって、期待されているんだなと。たった1本ですが、これを積み重ねていくことでファンを虜(とりこ)にできる。自分に惚れこんでくれる。積み重ねていきたいです」と井上。ホームランボールは、持ってきたバイトの子にサインしてプレゼント。未来の4番候補は「持ってる? まだまだです」と表情を引き締めた。まだ序章。ここから虎党を夢中にさせるアーチを、何本も描いていく。 (堀啓介)

井上に被弾した四国銀行・平山史崇投手(24)「真っすぐがスライダー気味に甘く入ってしまった。失投ですが、見逃さずに初球から打つのはさすが。オーラがあったし、1球だけですが、投手が投げてみたいと思えるような雰囲気がありました」

適時打を浴びた同・菊池大樹投手(26)「2球ともスライダー。さからわずにきっちりと打たれました。あの打者が少し前まで金属バットを持っていたなんて反則ですね」

★高卒ルーキーの初対外試合での本塁打

 細川(DeNA)が初の対外試合だった2017年2月13日の阪神との練習試合(宜野座)に途中出場し、八回に初打席アーチ。中田(日本ハム)も08年2月10日、阪神との練習試合(名護)で第2打席の五回、左翼場外に放っている。

 ちなみに筒香(前DeNA)は10年2月23日、初の対外試合となった日本ハムとの練習試合(宜野湾)で二塁打2本も本塁打はなし。村上(ヤクルト)は1年目は2軍キャンプスタートも、18年9月16日の広島戦(神宮)で高卒新人では史上7人目となるシーズンプロ初打席初本塁打となる2ランを放っている。

井上 広大(いのうえ・こうた)

 2001(平成13)年8月12日生まれ、18歳。大阪・大東市出身。南郷小時代にソフトボールを始め、南郷中では東大阪リトルシニアで捕手。履正社高1年夏からベンチ入りし、2年秋から主に4番。19年の選抜大会に出場。昨夏の甲子園では3本塁打を放ち、チームを初の優勝に導いた。20年、阪神にD2位で入団。契約金6000万円、年俸720万円。187センチ、97キロ。右投げ右打ち。背番号「32」

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