【虎のソナタ】ビュ~ン!!ズド~ン!!藤浪に野茂を見た - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】ビュ~ン!!ズド~ン!!藤浪に野茂を見た

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1990年の球宴(横浜)で登板する野茂。三木編集委員が藤浪とダブらせた!?  野茂英雄と同じ音がした。

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 「『ビュ~ン!!』『ズド~ン!!』や。他の投手と全然違う」

 藤浪のブルペン投球を間近で取材した編集委員、ビヤ樽三木建次は興奮した口調でした。鳴尾浜球場のブルペンはすぐ横で取材することができます。その距離約数メートル。ビヤ樽の耳に聞こえてきた投げた球が空気を切り裂く音は、あの日の野茂と同じだったのだそうです。

 近鉄担当だった1995年1月17日。ビヤ樽は、更改交渉のやりとりをめぐって球団と対立し、米大リーグに移籍すると言い出した野茂を追って東京に出張していました。

 「神宮外苑で早朝から自主トレをするというので、前日16日の夜に最終の新幹線で移動した。その取材当日の朝に阪神大震災が起きたんや。新幹線が止まって大阪に戻れなくなったのと、野茂の動向がすぐには決まらなかったので、しばらく東京で取材を続けた」

 練習場所は神宮球場近くの草野球のグラウンド。投球はすぐ近くで見られる。野茂の球が空気を切り裂く音、捕手のミットをたたく音が、この日の藤浪の『ビュ~ン!!』『ズド~ン!!』と同じだったと、ビヤ樽は力説したのです。

 「普通の投手は『シュッ』という音。ミットの音も『スパン!』くらいや。4年ぶりに阪神の取材に戻って、近くで藤浪の球を見て、久々にあの音を思い出した。2人以外では、俺は聞いたことがない」

 去年担当していた中日にも、鈴木博とかロドリゲス(現レッズ)とか速い投手がいたやろ? そう言うとビヤ樽は首を横に振って、こう続けました。

 「鈴木博も速いけど、音が軽い」

 ビヤ樽だけなら信用できないのですが、プロも驚いたそうだから、本当に藤浪は別格なのでしょう。1面の原稿で三木もふれていますが、藤浪は昨年12月中旬、沖縄・北谷で、米トレーニング施設「ドライブライン」の器具を使った合同練習に中日の選手とともに参加。そのとき、一緒に動作解析やブルペン投球を行った笠原や藤嶋らも、藤浪の『ビュ~ン!!』に驚いていたといいます。

 「合同練習が終わって名古屋に戻ってきた笠原たちに『1月から阪神担当に戻ることになったわ』とあいさつした。そのとき『沖縄どうやった?』て聞いたら、みんなが練習内容そっちのけで藤浪の話になって」

 すごいです。

 えぐいですね。

 えげつないですよ。

 昨季開幕投手を務めた笠原が、セットアッパーとして結果を出した藤嶋が、声をそろえたというのです。

 「笠原は藤浪と同学年。それが、ライバル視するんやなく『雲の上の人』って表現した。それだけの力があるんやから、やってくれんと」

 ちなみに藤嶋は、藤浪のことをこわもてで近寄りがたいと感じていたが、4泊5日の合同練習後はイメージが変わったらしい。

 「気さくで、面白い方でした」

 ビヤ樽だけでなく、ライバルたちもえげつないと認める剛球。今季こそは完全復活して、マウンドでのイメージも変えてほしい。

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