【球界ここだけの話(1746)】ソフトB・久保コーチ、引退の阪神・メッセの1年目を振り返る - SANSPO.COM(サンスポ)

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【球界ここだけの話(1746)】ソフトB・久保コーチ、引退の阪神・メッセの1年目を振り返る

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阪神時代のメッセンジャー(左)と久保コーチ  阪神のランディ・メッセンジャー投手が現役引退を発表した。在籍10年で98勝の輝かしい功績。惜しくも逃した100勝が近づいた頃、来日時の投手コーチを務めていたソフトバンク・久保康生2軍投手コーチが当時を懐かしんでいた。

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 「本当によく変わってくれた。大エースになってくれたね。日本人以上のスポーツマンシップを持っていた」

 メッセンジャーは2010年、09年で退団したジェフ・ウィリアムスに代わるセットアッパーという構想で入団した。150キロの速球も壁に当たり、4月中に2軍へ。一度は「期待はずれ」の烙印(らくいん)を押されたが、7月に先発として1軍に戻って5勝を挙げた。久保コーチは逆襲を振り返る。

 「うわべだけではなく、よく話を聞いてくれた」

 来日前は気性の荒さもうわさされた助っ人だが、文句も投げやりになる姿もなかったという。「ハングリー精神をすごく感じた。みじめなまま帰れないと」。同年に成功したジェイソン・スタンリッジがネットに向かった投球練習を繰り返すのをみたメッセンジャーは同コーチの元へ。「俺にも教えてくれよ」。ひとつひとつ課題をクリアする日々が始まった。

 カウント別の配球や打者心理。ホワイトボードに細かく書き込んで座学も実施した。甲子園だけではなく、遠征先でも2人で競うように“個別講義”を受講。低い球の大切さ、カーブの練習にも時間をかけたという。

 「カーブを投げることで体の開きもなくなる。そうするうちに、何が何でも直球というスタイルも変わっていった。『わざわざ待っている直球を投げて打者に金もうけをさせる必要はない』という言い方もしたかな」

 成果が表れ、翌年の残留の可能性が残った。個人的には、全日程が終了した夜を思い出す。帰宅の車を待つ助っ人に片言の英語で「お疲れさま。戻ってこれるといいね」というニュアンスの声をかけた。まだ去就は未定。「うん、戻ってきたいね」と大きな手を差し出してくれたナイスガイは翌年どころか、その後9年も…。周囲に慕われてユニホームを脱ぐ大きな背中に敬意を表したい。(安藤理)

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