【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】貧打を解消しなければ来季も結果は同じ、金に糸目をつけずメジャーの超大物を獲得せよ - SANSPO.COM(サンスポ)

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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】貧打を解消しなければ来季も結果は同じ、金に糸目をつけずメジャーの超大物を獲得せよ

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マルテ、ソラーテと話す阪神・矢野監督  ジョーンズ、デュバル、グロスマン、アギュラー。矢野阪神の来季に向けた新外国人選手はチームを確変させる大物選手をターゲットにしてください!! 阪神は116試合消化時点で53勝57敗6分の4位。首位・巨人とはV絶望の10・5ゲーム差です。チーム打率2割4分9厘はリーグ4位、80本塁打は同5位、得点428は同ワーストです。貧打を解消しなければ来季も結果は同じ。それどころか、現有助っ人勢に期待感がない上に福留や糸井の衰えも顕著になる来季は重大危機の到来です。大物外国人の獲得は矢野監督の監督生命をも左右する経営判断になるでしょう。

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 早いもので夏の長期ロードもこのコラムを読んでいただいている頃には最後の試合を迎えています。8月2日から夏の全国高校野球選手権大会に甲子園球場を明け渡し、恒例のロードに旅立ちましたね。ロード18試合消化時点では8勝9敗1分。健闘している…と評価してもいいのでしょう。ただし、チームは116試合消化時点で53勝57敗6分の借金4で4位。首位とは10・5ゲーム差です。残り試合(27試合=116試合消化時点)を考えるなら、もうV絶望と表現してもいいでしょう。どうひいき目に見ても…。

 このロード期間中、藤原崇起オーナーは「こんな時こそ攻め、攻めですよ。選手もコーチもみんな攻めることを考えてやらないといけない。今年はいろんな波が来る。そりゃ可能性は、ちゃんと攻めてればある。(矢野監督には)胸を張ってガッツポーズしてほしい」と“逆襲”を期待するようなコメントを残しています。確かに可能性がある限り、最後まで全力を尽くすのは当然です。最終試合までファンはチームの勝利を願って声をからして応援するのです。球団も現場の監督、コーチ、選手たちも一切、手を抜かず、諦めない姿勢は大事ですね。

 とはいっても、一方ではチームの将来のために備える、布石を打っていくことも大事です。冷静に今季の状況を分析して来季の逆襲には何が足りていないのか。何が必要なのか。これを考えて行動しなければ組織の体をなしていない…と批判されても仕方ありません。実際、アマスカウトは10月17日のドラフト会議に向けた調査を進め、最終的な人選に入っていこうとしています。海の向こうでは球団の国際スカウト部隊が新外国人選手の調査を進めています。

 数字はハッキリと示しています、矢野阪神の弱点を-。116試合消化時点でチームの防御率3・56はリーグトップです。なのに失点480がリーグ5位なのは91という飛び抜けた失策数が大きな原因です。投手の責任ではない失点が多すぎるのです。センターラインを中心とする守備の重要性を見つめ直さなければなりません。

 そして打撃。チーム得点428はワースト。トップの巨人は543点です。その差は115点!! 80本塁打はリーグ5位で巨人の144本とは64本差。得点能力&長打力にこれだけの差が開けば巨人との対戦成績6勝13敗も仕方ないですね。

 なので来季に向けたチーム造りの方向性はハッキリ決まっています。投手陣の安定をさらに目指しながら、守備を整備して、攻撃力を向上させることです。まず若手投手のポテンシャルを上げていく。守備の向上は担当コーチのテコ入れやポジションの適正を再点検することになるでしょう。

 問題は攻撃力です。マルテやソラーテに来季への大いなる期待感はありません。今季のマルテは81試合出場の段階で打率2割7分6厘、11本塁打で41打点。途中加入のソラーテは20試合出場で打率1割8分8厘、4本塁打、9打点。ビシエド、バレンティン、ゲレーロやソト、ロペスなどの他球団外国人に比べて、あまりにもひ弱ですね。加えて福留、糸井の両ベテランは来季、さらに衰えが顕著になるでしょう。高山や大山、梅野が飛躍的に成長しますか?

 ならば補強しか手はありません。今オフはFA市場に大物野手は出てきません。アマ球界も野手は小粒。最後に残された手段は新外国人野手の獲得です。現在、球団の国際スカウト部隊は米大リーグ視察中ですね。

 問題はどういったクラスをターゲットにしているのか? 昨年のロサリオには年俸3億4000万円を支払いましたが、今季のマルテ、ソラーテ、最近のキャンベルやヘイグにナバーロ辺りは1億円前後でしょう。これでは何人獲得しても結果は同じかもしれません。

 米大リーグは最近、高額なFA選手の買い控えが顕著です。なので、金額と契約年数さえ好条件を提示すれば、思わぬ大物外国人がやって来る可能性があるのです。

 例えばオリオールズ時代に10年連続の2桁本塁打を放ったアダム・ジョーンズ外野手(34)。現在はダイヤモンドバックスに所属し、22日時点で打率2割7分、14本塁打、57打点です。

 まだまだいますね。ブレーブスのアダム・デュバル内野手(30)は22日時点で打率2割4分7厘、6本塁打、11打点ですが、レッズ時代の2016年に33本塁打、翌17年にも31本塁打です。またレイズのヘスス・アギュラー内野手(29)は23日時点、打率2割4分2厘、9本塁打、39打点ですが、昨年はブリュワーズで35本塁打、108打点。彼らはいずれも一塁を守れる右打ちの強打者です。他にもアスレチックスのロビー・グロスマン内野手(29)は左右打ちですが、22日時点で打率2割5分、6本塁打、34打点です。これらの成績はすべて大リーグの数字ですよ。

 彼らクラスを獲得するには最低でも年俸4億円~5億円が必要でしょうね。2人をダブル獲りするなら1年で10億円の投資となります。

 こんな数字を掲げれば阪神電鉄の本社首脳や球団首脳は「あんた!! 人の懐事情も知らずに得手勝手なこと言うな!!」と怒るかもしれません。もし、こうしたクラスの外国人選手を獲得して失敗したならば、責任者のクビも危ういかも…。ただし、それなら聞いてみたいものです。毎年のように1億円クラスの外国人選手を獲得しては失敗する現状は責任をとる必要がないのか? と…。

 現状の球団国際スカウト部がターゲットにしようとしている選手の名前はうっすらと聞こえてきます。それで現状の貧打が打開できますか? 所詮、外国人選手は来てみなければ分からない、宝くじのようなものだ…という意見もあります。しかし、よく考えてみてください。確実な技量をもった選手ならば日米の野球の差をモノともしないパワーを発揮するでしょう。そうしたクラスの選手は条件を出さないと来ないのです。いや、今の大リーグ事情ならば、お金さえ積めば大物がゲットできるチャンス到来と言い換えておきます。

 来季も今季のような貧打ならば矢野監督はどうなるのでしょう。3年契約の2年目もBクラス低迷となれば、どんな批判が現場を襲うのでしょうか。あの鉄人、金本前監督でさえ新たな3年契約の1年目終了時点で辞任(事実上の解任)に追い込まれたのです。金本前監督は三顧の礼で迎えられました。矢野監督は“繰り上がり就任”です。

 勝ちたい、勝たなければ面白くない。阪神ファンはもう2005年から14年も待ち続けていますね。年間300万人動員というファンの群れが永遠である…なんて思うのは幻想ですよ。ファンのニーズに応じた阪神電鉄本社首脳の経営戦略を大いに期待しています。(毎週日曜掲載)

植村 徹也(うえむら てつや)

1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」『今日のトラコーナー』」や土曜日午後6時45分からの「まさとと越後屋のスポーツ捕物帖」に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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