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震えたで感動したで原口!阪神では掛布以来の代打球宴弾

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渾身のフルスイング! 原口が九回、代打で2ランを放った(撮影・斎藤浩一)  マイナビオールスターゲーム第1戦(12日、全セ3-6全パ、全パ1勝、東京D)奇跡のアーチ-。第1戦が行われ、大腸がんの手術から復帰した全セの原口文仁捕手(27)=阪神=が九回、代打で左翼に2ランを放った。「プラスワン投票」での3年ぶり2度目の舞台。感謝の思いを胸に感動の放物線を描き、敢闘選手賞に輝いた。試合は全パが6-3で全セに勝ち、5連勝。通算成績を85勝78敗11分けとした。第2戦は13日、阪神の本拠地・甲子園で開催される。

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 原口のすべてが、塊になって飛んでいった。左中間席に突き刺さる。一塁を回ったところで思わず声が出た。笑みが抑えきれない。両足をホームベースにソッとそろえて生還。ヘルメットを外し、総立ちの場内を見やった。こんな日が来ると信じ、耐えて耐えて、たたき込んだ。奇跡の、カムバック球宴弾だ。

 「こういう機会を作っていただいて、本当に感謝の気持ちと、思いっきり楽しんでいこうと、1球目からスイングできたので。本当にたくさんの、サポートしてくれた方や支えてくれた方にね、少しでもきょうの結果が恩返しにつながるとしたら、本当に最高の結果だと思います」

 少しだけ目元を潤ませて、また笑った。その笑顔で何度、泣かせるのか-。1-6の九回2死。巡って来なかったはずの打席が高橋(中日)の中前打で巡ってきた。普段は敵地の東京ドームが、この半年で原口を知った日本中の人が、野球の神様が「打て」と言っていた。前半戦をパ・リーグNo.1の防御率1・92で折り返した山本(オリックス)と向き合う。カウント1-1から3球目を捉えた。大腸がんからの復帰後1号(2軍戦を除く)が球宴初アーチに。堂々、敢闘賞だ。

 「こうやって何かの巡り合わせで、良い結果が出たので。高橋選手に感謝の気持ちでいっぱいです。(ベンチで)みんな笑顔で迎えてくれて、とても幸せな気分でした」

 ベンチには、1軍復帰する前夜に電話をくれた大瀬良(広島)もいた。甲子園で再会した際に抱きしめてくれた鈴木(同)も、元気づけてくれた坂本勇(巨人)もいた。最高の“野球仲間”と最高のファンに囲まれ、原口もこの人生の楽しさ、美しさを噛みしめるように、また笑った。

 球宴前まで打率・206。だが絶対に下は向かなかった。自分にしか生きられない今を全身で楽しみ、もがいた。今月1日に急逝した米大リーグ、エンゼルスのタイラー・スカッグス投手のことを耳にし、ショックを受けた日も-。

 「同学年ですよね…。あすも自分が生きていられるかなんて、僕だけじゃない、誰にも分からないでしょう? だから僕は、楽しみますよ! 明るく、楽しく!!」

 支えてくれた夫人についても「きれいだなぁって、思いますよね…。ずーっと見ていたいですもん」と改めて美しさに気がついたという。こんな人たちに囲まれ、こんなホームランを打てる。やはり人生は最高だ。

 「本拠地でオールスターがあるという、なかなかない機会に選んでいただいた。元気で、ハツラツとプレーしているところを、見てもらえたらうれしい」。13日、舞台は甲子園。家族も観戦に訪れる。前祝いとばかり、原口が日本中のファンを震わせる一発を放った。 (長友孝輔)

原口に一発を浴びた全パ・山本(オリックス)「しっかり打たれました。野球選手として素晴らしい。みんなに応援されていますし、人間も素晴らしい方なんじゃないかなと思いました」

全セ・緒方監督(広島)「(原口の起用は)走者がいるところでと考えていた。最後は打順が回るかどうかというところで回ってくれて良かった」

★今季の原口

 1月24日に、昨年末に受けた人間ドックで大腸がんが判明し、近日中に手術を受けることを自身のツイッターで公表。3月7日に2軍練習に合流し「必ず今年中に1軍に戻って活躍したい」と約束した。5月8日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)の八回に代打で復帰(右飛)。6月4日、交流戦開幕のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初昇格した。九回1死三塁で代打登場し、左翼フェンス直撃の適時二塁打。同9日の日本ハム戦(甲子園)では3-3の九回2死二、三塁で中前に代打サヨナラ打を放った。

データBOX

 ◎…原口が九回に代打本塁打。球宴での代打本塁打は2015年の第2戦での森友哉(西武)以来、35人目(38本目)。阪神選手では1954年第1戦の藤村富美男、63年第2戦の藤井栄治、70年第3戦の遠井吾郎、80年第1戦の岡田彰布、同第3戦の掛布雅之に次いで、6人目

 ◎…原口は敢闘選手賞を受賞。阪神選手の球宴での表彰は、2015年第1戦の藤浪晋太郎(MVP)以来

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