【小早川毅彦のベースボールカルテ】広島・誠也は“中心”の自覚を - SANSPO.COM(サンスポ)

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【小早川毅彦のベースボールカルテ】広島・誠也は“中心”の自覚を

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横浜スタジアムでフリー打撃を行う鈴木。この後、室内でも特打を敢行した(撮影・斎藤浩一)  「交流戦とは?」と尋ねられると、「セ・リーグにとって太平洋横断の旅」と答えている。ヨットで太平洋(パシフィック)を横断しようとしても、嵐に遭ったり無風だったり、無事にゴールするのは難しい。つまり、パ・リーグ相手の厳しい戦いという意味だ。

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 今年は広島が、大きな“被害”を受けた。5勝12敗1分けで5年ぶりの最下位。緒方監督は終盤戦を迎えた頃、「もがいているけど、どうしようもない」と話してくれたが、持ち前の決断力に改めて感心させられた。20日のロッテ最終戦で打撃不振の田中広を先発オーダーから外し、新人の小園を「1番・遊撃」で起用したことだ。

 プロ2年目の2015年から連続フルイニング出場を続けていた田中広は鈴木、菊池涼とともに不動のメンバー。小園を“カンフル剤”として使いたいなら、レギュラーが固まっていない三塁でもよかったはずだが、本職の遊撃にこだわった。普通の監督だとやりづらいことを、しっかりとやれるのが緒方監督だ。

 私は開幕前の順位予想で広島を1位にしたが、丸(現巨人)が抜けた穴は埋まらず、ある程度の苦戦は予想していた。3番を打つ西川は、本来は6、7番にいると嫌な打者。中崎、フランスアら救援陣は、昨年の働きとは比べものにならない。むしろ、この戦力でよく頑張っていると思う。

 交流戦は、点を取るべきところで取れなかった印象がある。打線は昨年まで中軸に丸、新井、エルドレッドもいて、一人だけ目立つことはなかったが、今年のチームは鈴木頼みだ。

 鈴木には、好不調の波がある。多くの打者は当たり損ねの打球でも適時打になると、それをきっかけに調子を取り戻すもの。鈴木は自分が納得できる打撃ができないと、調子が上がってこないという。自分に厳しいのだろうが、チーム中の目が自分に集まっていることを自覚して、打線を引っ張ってほしい。

 過去14年間、交流戦で最下位に終わったチームのレギュラーシーズン最高成績は3位(12年のヤクルトと14年の広島)。リーグ4連覇を目指すチームにとって嫌なデータだが、首位・巨人とは、わずか1ゲーム差だ。交流戦最下位からのリーグ優勝を初めてやってくれるのではと、期待している。(サンケイスポーツ専属評論家)

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