【G戦士の素顔(6)】存在感放つ育成1年目・山下航、「屈辱」の高2春…スタンド応援が成長の糧に - SANSPO.COM(サンスポ)

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【G戦士の素顔(6)】存在感放つ育成1年目・山下航、「屈辱」の高2春…スタンド応援が成長の糧に

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巨人・山下航太=ジャイアンツ球場(撮影・矢島康弘)  高卒1年目ながら、存在感を放っている。育成ドラフト1位・山下航汰外野手(18)=高崎健康福祉大高崎高=だ。高校通算75本塁打を放った左の長距離砲は、支配下登録を目指し、日々汗を流している。

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 「最初の方は3軍から2軍に上がって、周りの環境とかすべて違ったので、その辺の適応というか、そこに苦しんでいたんですけど、チーム(の輪)にも入っていけるようになりましたし、プロの世界に徐々に慣れてきたかなと思います」

 18日現在でイースタン・リーグ47試合に出場し、打率・313、2本塁打、14打点をマーク。12日の同リーグ、ヤクルト戦(ジャイアンツ球場)で頭部に死球を受けて1日だけ入院したが、チームのクリーンアップに座っている。将来を期待される大砲候補にとって、忘れられない悔しい思い出がある。2017年。高校2年春の関東大会だ。

 直前に出場した第89回選抜大会では、史上2人目となる1大会2本の満塁弾を放つなど注目を浴びた。だが、準々決勝で敗退後の群馬県大会でまさかの大不振。チームの主軸だった男の居場所はバッターボックスから、スタンドに移った。

 「一番苦しかったですね。『なんで甲子園でも3番とか4番を任されていたのに、ベンチ外でスタンドで応援しているんだろう』と思って。屈辱というか…」

 初めて味わった挫折だった。青柳監督を始め、当時いたコーチ全員から「お前がこんなんじゃ、夏は甲子園に行けない」「ここで終わる選手じゃないと思っているから、自分の力ではい上がってこい」と言われたという。指摘されたのは好不調の波がある、打撃の技術ではない。野球に取り組む姿勢だった。

 「自分は打てなかったら声を出さなかったり、態度に出してしまって。そういう面があったので。『そういうところを変えろ』と言われました。『技術よりも気持ちの面』だと」

 その後は、監督の指示でBチームのキャプテンに就任。自身の結果に関わらず、チームを引っ張ろうと声を出し、先頭に立った。「一番成長につながりましたね」と山下航。その後、再び聖地に戻ることはかなわなかったが、自身の気持ちをコントロールする術を学んだ。一つ階段を登った気がした。

 「あの時期を乗り越えて、この(プロの)世界に入ってこられたのかなと思います」。心身ともに成長した18歳がプロでも壁を乗り越え、1軍の舞台を目指す。(赤尾裕希)

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