野村克也氏「『上原を見習え』と言えなくなるのは寂しい」 恐るべき制球力と高い原点能力 - SANSPO.COM(サンスポ)

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野村克也氏「『上原を見習え』と言えなくなるのは寂しい」 恐るべき制球力と高い原点能力

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現役引退を語る巨人・上原=東京都千代田区(撮影・桐原正道)  巨人・上原浩治投手(44)が20日、東京で記者会見し、現役引退を表明した。阪神監督時代に上原と対したサンケイスポーツ専属野球評論家、野村克也氏(83)がコメントを寄せた。

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 どれだけ「上原を見習え」と口にしたことだろう。1999年から2001年まで、私は阪神監督として上原と対した。99年4月4日のプロ初登板でこそ黒星を付けたが、3年間で10勝を稼がれてしまった。

 107回2/3でわずか15四死球(2敬遠含む)。恐るべき制球力だった。全盛期の上原が直球とフォークボールだけで勝利と完投を積み重ねることができたのは、高い原点能力(投手の生命線である外角低め直球の制球力)があればこそだった。

 原点能力に加え、内角高めへの制球力も優れていた。外角低めへの直球と、低めへのフォークを生かすためのインハイ直球。上原本人にその極意を直接聞いた。「ブルペン捕手に右打席に立ってもらい、『当てたらゴメン、食事をおごります』と言いながら練習しています」。心の底から感心した。その後に監督を務めた楽天で、私は若い投手に「上原を見習え」と口酸っぱく言った。

 上原は学生時代から打撃投手を務めながら、球の切れ、制球を培ってきたとも聞いた。常に「対打者」を意識しながら、自分を磨いてきた。だから「体はいい状態だが、2軍で通用しない」という思いは理解できる。打者に対してこその投手、という自覚があるからこそ、引退の決断に至ったのだろう。

 「上原を見習え」と言えなくなるのは寂しい。彼には、フォーク、制球力、打者に向かう姿勢を後進に伝える責務がある。上原を見習った弟子が現れるのを期待している。

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