【球界ここだけの話(1549)】巨人・今村が過ごす菅野との濃密な時間、8年目左腕が次代を担う - SANSPO.COM(サンスポ)

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【球界ここだけの話(1549)】巨人・今村が過ごす菅野との濃密な時間、8年目左腕が次代を担う

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全体練習前にランニングする巨人・菅野智之(左)と今村信貴  春季キャンプの朝。巨人の8年目左腕、今村信貴投手(24)は特別な時間を過ごしている。アーリー(早出練習)の時間に行う、エース・菅野智之投手(29)とのランニング。約20-30分の間で多くを吸収しようとしている。

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 「大事な時間ですね。野球の話もできますし、ぜいたくな時間だなと。何か自分のものになるものがあればと思って、質問することもあります」

 さらなる活躍を期す。昨季はシーズン途中からローテーションに入りして、13試合で6勝2敗、防御率3・86。クライマックス・シリーズのファーストステージで第1戦(対ヤクルト、神宮)の先発も任せられた。だからこそ、今年は開幕からローテに入り、1年間戦う覚悟だ。

 今春のキャンプ前には、菅野から「投手キャプテン」に指名された。「うれしかったです。先頭に立ってやっていこうと思います」と責任感も増した今村。今や日本を代表するエースから、次代のチームを背負う存在として期待される8年目左腕も、全力で応えようとしている。

 「朝走る前に、質問を考えておきます。紅白戦のあととは反省だとか、自分で気になったことを相談しますね。実戦も増えてくれば、課題もいっぱい出てくるので」

 菅野といえば、いわずと知れた球界最高の投手だ。昨季はセ・リーグの投手主要3冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振)のタイトルを獲得し、2年連続の沢村賞も受賞(全7項目クリア)した。宮本投手総合コーチも「生きた教材」と評する菅野から直接話を聞ける機会を、今村は大事にしている。

 今年からスライダーの改良に取り組んでいる今村。昨季までのスライダーは「ぼやけていた」といい、「小さく速くが理想」と日々習得に励んでいる。そんな中でも、アドバイスを求めるのが菅野だ。球界を代表する打者たちも恐れる菅野のスライダー。まねをするのは困難だが、投げ方や握り方など、ヒントになる部分や自身の引き出しとなる部分も多く、必死に耳を傾けている。

 キャンプからはキャッチボールも、毎日菅野と行うようになった。「気を抜けた球は投げられないですね。一球一球を大事にできています。いいお手本がいるので」と朝のランニングだけでなく、練習中もエースとの濃密な時間を過ごしている。今年は昨年以上の成績を残して、チームを日本一に導く-。思いは一つだ。

 そんな後輩の姿勢を、エースも高く評価する。「去年よりも積極的に聞きに来ますね。成長を感じます。もちろん野球の話もしますし、いろいろな話をしていますよ」と菅野。今村を「投手キャプテン」に指名した際には、普段は優しそうな性格の今村に対し「そういう殻も破ってほしい」という思いも込めた。自身が活躍しただけでは優勝はない。日本一はない。もちろん、山口や岩隈ら他チームから加わってくれた選手や、助っ人の力も必要不可欠。だが、自身と同じような生え抜きの若手が台頭してくることを、エースも待っているのだ。

 そのことは今村もしっかりと感じている。「期待もされていると思うし、だからこそのキャプテンだと思う。期待に応えられるようにしたいです。わからないことがあればどんどん聞きにいきたいし、そういう姿勢を僕より(年齢が)下の選手たちにも見せていきたいですね」。今村の姿勢は、周りにも波及し、必ずやいい効果を生むだろう。田口やD1位・高橋(八戸学院大)らも刺激になるはずだ。

 シーズン開幕まで残り約1カ月。新加入の選手も多く、5年ぶりのV奪回へ戦力は整っていると言えるだろう。投手陣がより強固になれば、「日本一」の3文字はグッと近づく。そのためには、菅野だけではなく今村を始めとした若手の力も必要だ。悲願達成へ、今村が貴重で濃い時間を自分のものとし、マウンドで結果を示す。(赤尾裕希)

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