【球界ここだけの話(1545)】ソフトB・川原は未完の大器 球界全体でも珍しい左スリークオーター - SANSPO.COM(サンスポ)

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【球界ここだけの話(1545)】ソフトB・川原は未完の大器 球界全体でも珍しい左スリークオーター

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ソフトバンク・川原弘之投手  復活よりも「開花」という言葉が正しいのだろう。左投手の日本人最速は、今季から米大リーグに挑戦した菊池雄星投手(27)が2017年に計時した158キロ。これに並ぶタイ記録保持者はソフトバンクの育成選手だ。川原弘之投手(27)。同い年だが、158キロを記録したのは菊池より5年も前の12年。2軍戦のため“参考記録”ではあったが、もちろん話題になった。

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 当時は2桁の背番号を着けていた10年のドラフト2位。1軍では通算3試合の登板のみで、15年に左肩と左肘にメスを入れた。16年から育成選手としてリハビリに励み、今季が10年目。その苦労人が20日に1軍の紅白戦に呼ばれた。1回をピシャリ。二死を奪うと、川島慶三内野手(35)には150キロ、150キロ、151キロと速球を続けて、スライダーで空振り三振を奪った。

 試合後のベンチ裏で、川島が「川ちゃん、よかった。本当によかったよ」と満面の笑みで歩み寄るのが印象的だった。左腕はB組(2軍)の練習に戻ると、コーチ陣からも「よかったらしいじゃないか」と口々に声をかけられた。「未完の大器」のままもがいてきた男をチーム全体が応援。一緒に自主トレを行っている千賀滉大投手(26)も笑顔が弾けた。

 「自分のことのようにうれしかった。10年目にして、ついにベールを脱ぎ始めましたね」

 実は千賀は1年前の自主トレで予告していた。「ことしは川原さん、きますよ」。その昨季、川原はウエスタンで34試合に登板して防御率1・75。支配下登録は叶わなかったが、倉野信次投手コーチ(44)は「川原に去年は一年間投げることをテーマにして、今年勝負をかけようといっていた」と明かす。描いたストーリーが現実味を帯びてきた。

 同コーチは「この投球が続けば、(支配下選手の)みんなをごぼう抜きする」と絶賛すると、今後の対外試合での起用も即決した。球界全体でも珍しい左スリークオーターの150キロは大きな可能性を秘めている。(安藤理)

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