楽天D5・佐藤、被災者のために「一球一球に魂を込めて投げる」/東北スポーツ - SANSPO.COM(サンスポ)

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楽天D5・佐藤、被災者のために「一球一球に魂を込めて投げる」/東北スポーツ

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閖上小中学校を訪問した佐藤は児童たちに迎えられ、笑顔をみせた=15日、名取市(撮影・土谷創造)  プロ野球楽天の新人10選手が15日、東日本大震災で甚大な津波被害を受けた宮城・名取市閖上(ゆりあげ)地区の閖上小中学校を訪問した。新人で唯一の東北出身選手でドラフト5位・佐藤智輝投手(18)=山形中央高=は、敷地内にある「中学生慰霊碑」に祈りをささげ「東北出身として一番(被災者の気持ちを)分かっている。その思いを胸にプレーしたい」と強い決意をにじませた。

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 花を手向け、目をつぶって両手を合わせた。初の被災地訪問に、新人唯一の東北出身、佐藤が心を震わせた。

 「隣の県(山形・寒河江市)出身で、人ごととは思えない。(被災者の)方々の思いは自分が一番分かるし、それを胸に、一球一球に魂を込めて投げていきたい」

 6年連続6度目となった楽天新人選手の被災地訪問。今年は津波被害で約750人の命が奪われた閖上地区に、昨年4月に開校した閖上小中学校へ足を運んだ。佐藤らは震災時の映像を視聴し、八森伸校長(56)の説明に聞き入った。校舎周辺に残る空き地や土地のかさ上げ工事の様子を静かに見つめた。

 慰霊碑には、津波で命を落とした旧閖上中の14人の名前が刻まれていた。当時の野球部エースの名前があると知らされ「野球がしたくてもできなかった人がいる。そういう人のためにも、一日一日、野球ができる喜びを感じて全力を尽くさなきゃいけない」。知らずに背筋が伸びた。

 震災当時、佐藤は小学4年生。授業後に襲った大きな揺れに「ものすごく怖かった」と、今も鮮明に覚えている。

 震災翌日に、楽天で同僚となる1学年上の西巻賢二内野手(19)が在籍していた、福島県いわき市の小名浜少年野球教室との練習試合が中止となった。相手には津波被害を受けた選手もおり後日の練習試合で激励の色紙を贈った。「1日違っていたら自分もそうなっていたかもしれない」。生きて野球ができる喜びを、今も胸に抱く。

 閖上小中学校の先生たちから「頑張って練習して日本一になってほしい」と激励を受け、改めてプロで活躍する思いが強くなった。「自分も(楽天の)2013年の日本一は涙が出るほど感動した。優勝に貢献する活躍をして被災地に元気を届けたい」。東北人の“使命”を力に変える。 (井上幸治)

佐藤 智輝(さとう・ともき)

 2000(平成12)年6月5日生まれ、18歳。山形・寒河江市出身。南部小4年から寒南ガッツで野球を始める。陵南中では軟式野球部。山形中央高では1年夏からベンチ入り。甲子園出場なし。昨秋ドラフトで5位指名され楽天入団。184センチ、82キロ。左投げ左打ち。背番号61。

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