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【科学特捜隊】ヤクルト・山田哲、来季大チャンス!40本塁打40盗塁

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夢の40・40実現は…。来季も山田哲の「打」と「走」に注目だ  科学的なアプローチで斬り込むサンケイスポーツ東京発刊55周年企画「科学特捜隊」はオフの特別編。今季、プロ野球史上初となる3度目のトリプルスリー(3割、30本、30盗塁)を達成したヤクルト・山田哲人内野手(26)に迫る。各種スポーツのデータを収集、分析する「データスタジアム社」の協力で、日本では前人未到の「フォーティー・フォーティー」(40本塁打、40盗塁)実現の可能性について探った。 (取材構成・伊藤昇)

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 シーズンオフに入った10月、京都市内で行われたヤクルト本社のイベントで山田哲は、「フォーティー・フォーティー」(40・40)への意気込みを明かした。

 「来季は40・40というのもあるし、それを目指しつつ、引き続きトリプルスリーを達成できるように頑張りたい」

 同一シーズンで40本塁打、40盗塁を達成する「40・40」。日本の野球ファンにはあまり聞きなじみがない言葉だが、それもそのはず。プロ野球では前例のない大記録なのだ。米大リーグでもカンセコ(1988年、アスレチックス)、ボンズ(96年、ジャイアンツ)、ロドリゲス(98年、マリナーズ)、ソリアーノ(06年、ナショナルズ)の4人しか達成していない。

 トリプルスリーを3度記録し、次なるターゲットに定める40・40は、果たして可能なのか-。過去のデータから、選手が年齢的に、いつピークを迎えるかを割り出した。

 山田哲はハイアベレージを残しつつ、本塁打も盗塁も多いアスリートタイプ。過去では秋山幸二(西武など)や松井稼頭央(同)らが同様のタイプだった。そこで1965年のドラフト制以降に、通算100本塁打&100盗塁を達成した選手が何歳で、キャリアハイの成績を残したかを調査した。

 まずは本塁打。27歳と30歳が7人で最も多く、続いて24、28、31、33歳が5人で続いた。スタンドまで打球を運ぶパワー、スイングスピード、ボールを捉える技術、投手との駆け引きなど、本塁打を量産する要素は多岐にわたるため、若手からベテランと呼ばれる年代まで、比較的に幅広いが、ある程度の経験値を積んだ30歳前後が多い。

 次は盗塁。25、26、28歳の8人が最多で、29歳以降はいずれも3人以下と急激に減少する。走力はもちろん、スタートを切る際の瞬発力が求められるため、盗塁は若い方が有利と考えられる。

 どちらでも重なるのが、27、28歳のシーズンだ。山田哲は92年7月16日生まれで、現在26歳。つまり、27、28歳を迎える19、20年シーズンでキャリアハイに到達する可能性は高い。

 13年に1軍に定着し、経験、実績は積んできた。まさにこれから選手として脂が乗った時期を迎える。これまでのキャリアハイは15年の38本塁打、34盗塁。「心・技・体」で最高潮を迎えるであろう来季、もしくは20年。前人未到の「40・40」に到達する可能性は十分にある。

★ピークは故障に因果

 選手が27、28歳でピークを迎えるケースが多いのは、故障とも関連がある。2013年から5年間のデータでは、野手の故障による1軍登録の抹消割合が25-27歳が15.9%なのに対し、28-30歳では25.8%まで跳ね上がり、それ以上の年齢では同水準以上となっている。故障が少なく、思うように体を動かせることが多いのは、やはり28歳ごろまでと推測される。

★鍵は対右腕の直球打率

 17年は不振に苦しみ、トリプルスリーを逃した。大きく影響したのが、対右投手での直球の打撃成績だ。15、16年は.343、.320だったが、17年は.202と大幅に低下。同年3月に出場したWBCの影響や、前年の死球の影響を指摘する声も挙がっていた。ただ、今季は.317と再浮上し、2年ぶり3度目のトリプルスリーを成し遂げた。

★サンケイスポーツ専属評論家・若松氏の見解

 今年の山田哲は下半身、特に軸足となる右足がしっかりしていた。不振だった昨年はどうしても右膝が折れすぎて、力が抜けてしまい、打ち損じが多かったが、今年はかなり下半身のトレーニングを積めたのだろう。トップからインパクトの瞬間まで真っすぐバットが出て、力強い打球を飛ばせていた。それが復調の要因の1つだと思う。

 来年は「40・40」が目標と聞く。そもそも毎年バッティングの調子を維持するのは難しく、実現するのは大変なことだ。ただ、あまり目標を意識しすぎると力みにつながってしまう。特別なことをやるのではなく、今の調子に少し上乗せするくらいの意識でいい。過程を大切にしてやっていけば大丈夫だ。

★データスタジアム社・佐々木氏の見解

 今季、3度目のトリプルスリーを達成した山田哲ですが、34本塁打の平均飛距離119.7メートルはセ・リーグの日本選手では最長(20本塁打以上の打者を対象)です。初めてトリプルスリーを達成した2015年から毎年、飛距離を伸ばしていて、5月3日の中日戦(神宮)では、岩瀬から左中間スタンドへ推定140メートルの特大弾を運んでいます。

 両翼97.5メートル、中堅120メートルの神宮球場はプロ野球の本拠地では狭い部類に入ります。他球場であれば外野フライとなる打球でもスタンドに入ることがありますが、今季の山田哲は、神宮に限定した平均飛距離でも121.7メートルを記録しており、球場の環境に助けられた本塁打は数えるほどしかありませんでした。

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