【科学特捜隊】日本ハム・清宮、CS切り札になるか - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

【科学特捜隊】日本ハム・清宮、CS切り札になるか

更新

8月22日のソフトバンク戦で3ランを放った清宮。バンデンハークを攻略した  科学的なアプローチで斬り込むサンケイスポーツ東京発刊55周年企画「科学特捜隊」の第20回は、日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(19)=早実高=に注目する。1年目の今季は王貞治(巨人、現ソフトバンク球団会長)に並ぶ7本塁打を記録。大器の片鱗を見せたルーキーのレギュラーシーズンをデータで振り返り、ソフトバンクと対戦するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでの成否を占う。 (取材構成・伊藤昇)

<< 下に続く >>

 注目を浴びた高卒ルーキーの1年目。清宮は53試合に出場し、打率・200ながら、早実高の大先輩でもある王貞治の1年目に並ぶ7本塁打と期待通りの長打力を発揮した。

 各種データでも長距離砲としての素質を示している。外野までフライ打球を運ぶ割合(OF/BB)は43・6%で、リーグ平均の38・9%超え。パ・リーグで20位につけている。外野への飛球が本塁打となる割合(HR/OF)は15・9%でリーグ14位。打球に対する本塁打の割合(HR/BB)はリーグ13位だ。

 フライは長打となる確率が高く、ランキング上位には今季47本塁打の西武・山川ら強打者がズラリと並んでいる。清宮本人はデータの内容を知ると「そうなんですか! でも…、三振も多いので(笑)」と自虐しつつも「フライを打ちにいっているつもりはないけど、自然にそうなるなら僕らしい。高校の時からフライは多い。いいことだと思います」と好意的に捉えた。

 一方、課題も浮き彫りとなった。ホットゾーン(コース別の成績)を見ると、内角が全て打率1割台。変化球の高低別打撃成績では、低めが・089とリーグ平均・207を大きく下回った。145キロ以上の直球にも苦しんでいる。

 13日にはCSファーストステージが開幕する。対戦相手はソフトバンクだが、今季の7本塁打中4発が鷹の投手陣から放っている。19歳が打線のキーマンとなり得るか-。先発が予想される投手との対戦を振り返り、成否を占ってみる。

 まずはバンデンハーク。8月22日の対戦で3打数2安打1本塁打と打ち崩した。第2打席で外角高めの直球を中前打、第3打席では外角高め、147キロの直球を右中間席に運んだ。

 技巧派の東浜には5打数無安打。5月11日は外角低めのシンカーで2三振を喫し、8月21日の第2打席は逆に内角を突かれて捕邪飛に倒れた。2打席しか対戦していないミランダも9月23日の第1打席は外角のスプリット・フィンガード・ファストボール(SFF)で空振り三振。

 第1戦の先発が予想される千賀は対戦がなかったが、代名詞の落差のある「お化けフォーク」に対応できるか未知数だ。ただ、9月20日には武田の内角低めのカーブを札幌ドームの右中間席中段(5号3ラン)まで運ぶなど、高い対応力も示している。

 清宮はCSに備えて、宮崎でフェニックス・リーグに参戦中。「もし出るなら、負けられない。違った雰囲気の中で試合をやる。いつもと変わらず、チームの勝利だけ考えたい」と鼻息は荒い。

 低めの変化球と、内角攻めにどう対応するか。恐ろしいほどの吸収力で進化を続ける19歳が、初体験の大舞台でデータを超越する活躍を見せる可能性は十分にある。

小早川毅彦氏(サンケイスポーツ専属評論家)「清宮には飛ばす力、すなわち打球の角度が備わっている。これは教えても、すぐ身につくものではなく、やはりホームランバッターなんだなと感じさせられた。一方で、打率(.200)にも表れているように確実性は課題だ。当たれば飛ばす力はあるが、捉えきれない場面も多かった。ただ、清宮の実力を認めた相手バッテリーが、それだけ本気になっているということ。それもまたすごいところだ」

★フェニックスLで2の0 この日の清宮

 清宮は、開幕した秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」韓国サムスン戦(生目第2)に「3番・一塁」でフル出場。4日の楽天戦以来の実戦で、2打数無安打2四球だったが「問題ないです。まだ、ちょっと真っすぐに差し込まれている。あと3日間で直せればいい」と前向きだった。13日のCSファーストステージ(対ソフトバンク)に備え、9日以降も計3試合に出場する。

★大谷との比較

 昨季まで日本ハムに所属し、高卒、左打ちと共通点の多い大谷(現米大リーグ、エンゼルス)の1年目(77試合、打率.238、3本塁打、20打点)の指標を見るとOF/BBは31%で、HR/OFが7.7%、HR/BBが2.4%。清宮はそれぞれ43.6%、15.9%、6.9%で、いずれも上回った。1年目のデータでは、長距離砲としての資質は清宮が上という結果が出た。

★データスタジアム社・佐々木浩哉氏

 今季の清宮は、対右投手の153打席(打率・199)に対し、対左投手は27打席(同・208)だけ。あえて左投手を避けるような起用は、同じ日本ハムに所属した大谷(現エンゼルス)の1年目にも見られ、対右投手が186打席(同・244)に対し、対左投手は18打席(・176)と偏りがありました。

 今季の7本塁打は全て右投手からでしたが、早実高時代には日大三高の左腕、桜井(現DeNA)から1試合5三振を喫したこともあり、まずは右投手攻略に集中させたいという首脳陣の親心が数字に表れているのかもしれません。

 ちなみに大谷は最終的に、対左投手では対右投手を超えるほどの打撃結果を残しました。「対左投手」が今後の清宮の成長のキーワードとなるはずです。

PR