【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】金本監督続投もFA、ドラフト、外国人、首脳陣は期待薄 ノーベル賞教授に治療頼む? - SANSPO.COM(サンスポ)

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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】金本監督続投もFA、ドラフト、外国人、首脳陣は期待薄 ノーベル賞教授に治療頼む?

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来季も続投する阪神・金本監督  アナタは金本阪神の来季に夢を見ることができますか!? 阪神は136試合消化時点で59勝75敗2分の借金16でリーグ最下位に低迷。このままでシーズン終了なら2001年以来、17年ぶりの最下位です。今季から3年契約を結んでいる金本知憲監督(50)の「来季続投方針」を球団幹部は公言しましたが、オフの戦力補強には消極的で来季の指導体制にも大変革はありません。結局は“大物新外国人野手”獲りが唯一の希望…。過去3年で若手が育っていればそれでもOKですが、現状を見る限りでは手ぬるさを感じます。このまま暗黒時代にドップリ!? を心配せざるを得ません。

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 あまりにも痛烈で直球勝負のコメントに笑ってしまいました。2018年度のノーベル医学生理学賞を受賞した京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)は大の阪神ファンで元阪神監督・岡田彰布氏の個人後援会のメンバーでもあるのですが、テレビのインタビューで阪神再建策を問われるとー。

 「まずは、指揮官の交代ですね!!」

 ニコリともせずに言い切った本庶佑教授にテレビ局のスタジオは大爆笑でした。こうしたケースでは当たり障りのないことを答えてお茶を濁すのが“普通”ですが、何事にも真面目に取り組み、奥様からも「探求心が凄い」と言われるノーベル賞受賞者は自身の“ダメトラ研究論文”をズバリと公表したのです。

 阪神を愛し、どうすれば弱者から勝者に変わることができるのか…。がん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」オプジーボを開発した本庶佑教授は、そのずば抜けた頭脳で金本阪神を徹底分析、研究したのでしょうね。その結論が指揮官の交代とは…。

 まあ、ここでノーベル賞受賞の大先生のコメントに調子をコイて乗っかり過ぎるのもどうかと思うので、この辺で話を切り替えますが、現状の阪神に不満や注文をぶつけたいファンの数は相当だろうと思います。まさにファンや関係者のストレスは最高潮に達しているでしょう。

 シーズンが残り7試合になった段階で59勝75敗2分の借金16。特に酷いのが本拠地・甲子園球場での成績です。19勝37敗2分の借金18。聖地での戦いぶりはファンの期待を大きく裏切りました。

 これは観客動員の不振にも直結しています。金本監督就任の1年目は291万592人、2位躍進の昨季は303万4626人でしたが、今季は甲子園球場で残り4試合の段階で276万1081人です。今後が雨流れの消化試合という背景を考えると、最終的には1年目の291万人にも届かない情勢です。

 声を枯らして応援してもそれに応えてくれない…。期待した若手育成路線はサッパリ光が見えない…。本拠地で負け続ける…。ファンはガッカリしています。そして、悲しいのは、現状を落胆するだけではなく、来季を見通しても明るい材料を探すのに苦労することですね。

 今季から新たに3年契約を結んでいる金本監督の続投を球団幹部は4日のヤクルト戦(甲子園球場)の敗戦後、初めて明らかにしました。谷本球団副社長兼本部長は「もちろん。もちろん(続投は)そうです。そのつもりです」と答えました。

 しかし、実際のところでは坂井信也オーナーから金本監督への正式な続投要請はまだ行われていないーという情報があります。今季から3年契約を締結しているのですから、解雇通告をしない限りはそのまま自動的に来季続投とはなります。ただ、2年契約が切れるシーズンだったとはいえ、昨季は7月のオーナーと監督の会食の席で続投要請が行われています。今季はセレモニーとはいえケジメの続投要請がいまだになされていない…という情報には首をかしげますね。

 雇い主の感覚では契約書通りなのだから、単なるセレモニーの続投要請はあってもなくてもいい…と思うのかもしれませんが、雇われる側の立場なら昨季は7月にあった続投要請がシーズン終盤までなかった、ということをどう捉えますか? あまり気持ちのいいものではないでしょう。

 谷本副社長兼本部長が「(続投は)そのつもりです」と曖昧な表現で答えた裏側には球団トップからの正式な続投要請が済んでいない、微妙な舞台裏が見えてきます。

 まあ、それも12日か日程がズレた際の17日に行われるオーナーへのシーズン報告の席で正式続投要請となるのでしょうから、後は金本監督の気分の問題なのかもしれませんが…。

 そして、ここからが一番の懸念です。現状の球団の動きを見る限り、すでにこのコラムで書いた通り、浅村(西武)、丸(広島)、中田翔(日本ハム)ら野手のFA補強にはまるっきり後ろ向きです。投手補強では西(オリックス)がFA宣言かポスティングでのメジャー移籍か…で揺れていますが、舞台裏を覗けば他球団の調査活動が先行していて、阪神球団内からは「いまさら獲得に向かっても他球団の条件をつり上げるだけ」という声が漏れ伝わります。

 10月25日のドラフト会議では本社ー球団案の高校生1位(大阪桐蔭の藤原か根尾)が濃厚で、監督の希望する即戦力投手の1位指名は望み薄ですね。つまり、来季に向けた戦力補強のメインは新外国人野手の獲得になりそうです。これが、どれだけアテにできないかは解雇決定的なロサリオの失敗で誰もが痛感したばかりでしょう。

 さらに、最下位かBクラス転落の原因のひとつでもある若手野手育成の失敗はどうやって矯正するのでしょうか。金本監督は2年連続で和田一浩氏(46)の打撃コーチ招聘(しようへい)を球団に希望し、来季のコーチ編成の目玉と考えているようです。一方で現状のコーチ陣はほぼ全員留任の方向です。チームがこれほど低迷したのにコーチ陣は誰も責任を取らず、一、二軍の監督やコーチを異動させる内部調整で来季に臨むとすれば、これほどの生ぬるさを知りません。要はBクラスや最下位転落に備えた指導者の“補強準備”を怠っていたツケといえば言い過ぎですか。

 ここで阪神電鉄本社ー球団首脳に強く望みたいのは阪神ファンが来季こそリーグ優勝の夢を抱き、希望を膨らませることができる体制(指導体制の抜本的な改革と大補強による戦力アップ)の構築です。

 現有戦力には来季に向けたプラス要素とマイナス要素があります。プラスは大山、梅野、糸原、北條らの更なる飛躍ですし、マイナスは福留や糸井、メッセンジャー、能見、藤川球児らの年齢的な衰えです。プラスとマイナスを差し引きしてアナタならプラスが上回る…と言えますか。希望的観測でも30%減と見るのが妥当では…。それで来季は何位になりますか?

 ファンの気持ちを見くびってはいけません。自浄作用が働かないならこんなプランはどうですかねー。ノーベル賞の本庶佑特別教授に球団アドバイザーを要請しては? ダメトラを新たな“免疫療法”で見事に完治させてくれるかもしれませんよ。ちょっと最後はおふざけが過ぎましたか…。でも、頭の片隅にそんな妄想がよぎるほど、現状には呆れかえっているわけです。(毎週日曜掲載)

植村 徹也(うえむら てつや)

1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として、阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月曜日~金曜日、午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド」に出演中。

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