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【科学特捜隊】広島V3打線の秘密は「打てる捕手」会沢

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プロ12年目の会沢がバットでもリーグ3連覇に貢献した(写真は25日のDeNA戦)  科学的なアプローチで斬り込むサンケイスポーツ東京発刊55周年企画「科学特捜隊」の第19回は球団史上初のリーグ3連覇を達成した広島の強さの秘密に迫る。各種スポーツのデータを収集、分析する「データスタジアム社」の協力で、破壊力を増した強力打線の秘密を発見。丸佳浩外野手(29)、鈴木誠也外野手(24)ら主軸に加え、8番・会沢翼捕手(30)の打撃を数値化すると意外な数字が出てきた。(取材構成・伊藤昇)

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 今季も圧倒的な強さでリーグ3連覇を達成した広島。今年は特に打ち勝つ試合が多かった。チーム防御率は4・31と昨季の3・39から悪化した一方、総得点694はセ・リーグの1位。逆転勝利は78勝のうち約半数の38度で、投手陣が打ち込まれても攻撃陣がカバーした。

 中心はやはり丸と鈴木だ。両者ともに打撃3部門ですべてトップ10入り。特に丸は本塁打が自己最多の23本だった昨季から38本と飛躍的に伸ばし、DeNA・筒香と激しい1位争いを演じている。・900以上で一流とされるOPS(出塁率と長打率を足した指標)はともに1・000を超えている。

 丸と鈴木をwRAA(リーグ平均の打者と比べ、同じ打席数ならどれだけ得点を増やしたか、または減らしたか)という指標(以下23日現在)で表すと、丸は62・8でリーグ1位、鈴木は48・6で同3位。2人で平均よりも111・4点を増やしたことになる。

 守備位置別のwRAAで比較すると、さらなる強みが見えてくる。今季の広島は捕手の得点貢献度が25・9と驚異の数字をたたき出した。DeNAのマイナス14・3よりも、40・2点も多く稼ぎ出した計算になる。

 中でもプロ12年目、会沢がめざましい活躍だった。出場機会を増やした14年当時から、長打力が持ち味だったが、相手のマークが厳しくなる中で今季は一気に開花した。ここまで100試合に出場して、打率・300、13本塁打、39打点。球団の捕手では史上最多の本塁打を記録し、ほぼ全てでキャリアハイの成績を残している。OPSは・900(先発時は・915)をマークし、300打席以上の打者で11位。各球団の主軸が上位に名を連ねる中、捕手としては異例の数字を残した。

 近年は「打てる捕手」が少なくなっている。過去10年の日本球界において、捕手で先発した際のOPSが・900以上をマークしたのは巨人・阿部(2009、10、12、13)と日本ハム・近藤(15年)だけ。いかに捕手の・900超えが難しいかが分かる。守備面で膨大なデータを頭に入れる必要があり、心技体で負担が大きな捕手のOPS・900超えは至難の業とも言える。

 田中、菊池のタナキクコンビの後に丸、鈴木ら強打者がドンと構え、さらに下位には“恐怖の8番”会沢が控える。そして、またタナキクにつながる-。点と点が線になり、打力でセ5球団を圧倒した。16、17年は果たせなかった日本一に、厚みを増した強力打線で挑戦する。

★「打てる捕手」後継候補

 広島には「打てる捕手」の後継候補も多い。高卒2年目の坂倉は昨年のウエスタン・リーグ2位の打率・298をマーク。さらにD1位・中村奨(広陵高)は昨夏の甲子園で6本塁打し、1大会の最多本塁打記録を更新した実績を持つ。ともに1軍定着はもう少し時間が必要だが、強打の捕手が広島の新たな武器となる可能性はある。

★データスタジアム社・佐々木浩哉氏

 会沢のようにマスクをかぶりながらOPS・900を超える選手は少なく、過去10年間で2人しか記録していません。西武の森も今季はOPS・900を超えそうで、パ・リーグで優勝争いを繰り広げるチームの大きな強みとなっています。会沢、森ともに、過去には打力を生かすために外野手で起用されたこともあるほどの選手。捕手は守備面で高度なスキルを求められるポジションだけに、打力が高ければチームに大きなアドバンテージをもたらす可能性を秘めています。

会沢 翼(あいざわ・つばさ)

 1988(昭和63)年4月13日生まれ、30歳。茨城県出身。水戸短大付(現水戸啓明)高から2007年高校生ドラフト3巡目で広島入団。昨季は自己最多となる106試合に出場し、初のベストナイン(捕手部門)に輝いた。今季は14年以来、自身2度目の2桁本塁打をマーク。昨オフからは球団の選手会長を務める。1メートル77、91キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸5000万円。背番号27。

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