【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】藤浪トレード求める球団が今オフ、金本阪神に殺到する メリットある商談ならまさかは現実に… - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】藤浪トレード求める球団が今オフ、金本阪神に殺到する メリットある商談ならまさかは現実に…

更新

優勝を狙った金本阪神にとって藤浪の不振は痛手となった  藤浪トレードを求める球団が今オフ、金本阪神に殺到しますね。阪神は119試合消化時点で55勝63敗1分の4位。首位・広島とは16ゲーム差で2位・ヤクルトとも4・5ゲーム差。残り24試合ですが、CSファースト・ステージ開催権の2位も厳しい情勢です。数ある大誤算の中でも極めつけの成績不振、藤浪晋太郎投手(24)は16日のDeNA戦(横浜)先発登板。大型右腕の状況を金本監督以上? に注視しているのは他の11球団です。今オフのトレード市場の目玉として虎視眈々の視線が注がれています。場合によってはある!? さあ、どうでしょう…。

<< 下に続く >>

 もはや広島のリーグ3連覇は事実上、決定しています。優勝マジックが進行していき、2位とは10ゲーム差以上。ここからV逸という筋書きはもう漫画の世界でも通用しないでしょう。今季に13年ぶりのリーグ優勝を目指した金本阪神の夢はすでに潰えています。

 「今年は過去3年間の中では一番、強いチームができた。必ず優勝したい。星野(仙一)さんにリーグ優勝の報告をしたいと思います」

 シーズン開幕前、今年の1月4日に享年70歳で逝去した星野仙一さんのお別れの会で涙ながらに誓った金本監督の思いは実を結びませんでした。

 119試合消化時点で55勝63敗1分の借金8の4位。CS圏内の3位・巨人とは1・5ゲーム差でまだまだ希望はありますが、ファースト・ステージ開催権を得る2位のヤクルトとは4・5ゲーム差。リーグで最も残り試合の多い阪神ですが、逆に雨流れの試合を多く残したとも言えます。

 大型連戦を乗り切るしかなく、先発投手陣の頭数などを見ても、「反攻」という希望的観測よりも、最下位・DeNAとの差が気になるのが実情ではないでしょうか…。本当に最下位危機は今、目の前にある状況なのです。

 どうしてこうなったのか? 様々な誤算の中でも最大の誤算のひとつが藤浪の成績不振でしょうね。きょう16日のDeNA戦で先発登板ですが、ローテーションの中での登板ではなく、連戦が続く状況下で先発投手が枯渇。2軍で調整していた藤浪に白羽の矢が立った…というのが偽らざるベンチ裏ではないでしょうか。

 今季はわずか9試合に登板し、2勝3敗。防御率6・34。1軍での投球回はわずか44回。2年前の16年途中から続く不振の悪循環を断ち切れずに18年シーズンも終わろうとしています。

 当然ながらネット裏では様々な声があります。

 「藤浪を再生できないのは首脳陣の責任。もっと本人に寄り添って、自信を回復させる指導をしないとダメだった」

 「金本監督が監督に就任してから藤浪は不振に陥った。高校時代から築いていたプライドをへし折られてそこからマウンド上で力を出せなくなった。金本監督の在任中は復活もないだろう」

 「藤浪はナイーブな性格で、それが阪神という特殊な人気チームで投げ続けるには厳しかったのでは…。首脳陣の責任もあるだろうが、やはり最後は本人の責任だ」

 阪神OBや関係者からは“藤浪再生論”が数限りなく語られ、それでも答えが出ない状況が続いているのです。

 こうした状況下で、まさにコップを反対側から見る“景色”がありますね。彷徨う藤浪を他の11球団はどう見ているのか…。あるパ・リーグの編成担当者はこう語りました。

 「藤浪の直球は軽く150キロを超える。こんな素晴らしい直球を投げられる投手は今の日本球界にそうはいない。言葉は悪いけど、金本監督のいない2軍での成績もずば抜けている。環境を変えたら10勝どころか、15勝もある。欲しい? そりゃあ、出してくれるなら欲しいに決まっている」

 今季、2軍での登板は12試合。成績は4勝1敗で防御率1・14。打者を見下ろし、格が違うと言わんばかりに投げる姿を他球団の調査部員達は瞼に焼き付けています。

 もし、阪神がトレードで放出する気があるなら、すぐにでも交渉のテーブルに就きたい…。そんな思いを抱く球団はそれこそワンサカあるのです。

 そりゃあ、そうでしょうね。今年の3月14日に発表されたトレードのその後の経緯を見れば分かります。岡本との交換トレードで西武に移籍した榎田の活躍ですね。阪神では昨季、わずか1軍登板3試合で0勝でした。それが今季は西武で9勝です。

 2010年のドラフトで阪神に1位入団の左腕は主にリリーフとして投げましたが、在籍7シーズンで13勝17敗3S。西武では先発ローテーションで投げて、今季の優勝争いの原動力になっています。環境が変わったことで榎田は見事に復活、いや進化したのです。

 榎田がそうなら、藤浪はどうでしょう。客観的に見ても投手としてのスキルは断然、藤浪でしょう。そんな可能性を秘めた右腕が1軍で投げていない…。これを他球団が放っておくわけがありません。

 「シーズン途中に他球団からトレードの話を持ちかけられたことは一度もない。オリックスから? それはガセネタや。一度もトレードの話は聞いたことがない」

 藤浪について、球団内部からは現時点で“商談”は一件もなかったことが漏れ伝わってきましたが、それはシーズン途中だからですね。

 藤浪の今季年俸は1億2000万円です。これに見合った選手をシーズン途中に用意できる球団はありません。しかし、シーズンが終わり、戦力編成がニュートラルに戻ったタイミングでは、藤浪に見合った選手を交換要員に示せる球団はあるでしょう。

 そして、阪神のチーム事情を勘案すると「藤浪は絶対に出せない選手」という不文律(互いに心の中で了解し合っているきまり)は揺らいでいます。藤浪を先発ローテから外し続けた金本監督の来季続投は既定路線。そして、「環境を変えないと復活しない」というチーム内外の声。もし、他球団が阪神にとっても、藤浪にとってもメリットのある商談を持ち込んだ時、不文律は一気に瓦解するかもしれません。

 榎田も2010年のドラフト1位です。わずか半年前に1位の左腕をトレードで出した球団でもあります。

 「ダメもとで話をしてみるか…と思っているんだ。どれぐらいのレベルの選手なら阪神さんは身を乗り出すのか。場合によってはエース級の交換になるかもしれないけど、それは藤浪が必ず復活すると見込んだ時だなぁ。でも、魅力満点の投手であることは間違いない」とは他球団調査部員の言葉ですね。

 もし、藤浪をトレードで出すとなれば、阪神球団を取り巻くマスコミやファンは強烈な反応を示すでしょう。金本体制を直撃する衝撃波になるかもしれません。

 しかし、チームと藤浪自身にメリットがあるなら…という重い扉の鍵が開いたとき、まさか…は現実になるかもしれません。(毎週日曜掲載)

植村 徹也(うえむら てつや)

1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として、阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月曜日~金曜日、午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド」に出演中。

PR