【球界ここだけの話(1378)】巨人・山口鉄、1軍への思い 杉内と内海の姿を励みに目指すあのマウンド - SANSPO.COM(サンスポ)

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【球界ここだけの話(1378)】巨人・山口鉄、1軍への思い 杉内と内海の姿を励みに目指すあのマウンド

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巨人・山口鉄  巨人の背番号47の姿は、2軍にあった。今年、プロ13年目を迎えた山口鉄也投手(35)は現在、照りつける太陽の下、必死に汗を流している。

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 「最近は痛みもなく投げられているから、楽しい。野球ができる幸せを日々感じて、1軍を目指して頑張っています」

 今春のキャンプ。山口鉄は2軍スタートだった。昨季は18試合の登板にとどまり、自身が持つプロ野球記録である、連続60試合登板も「9年」でストップ。今季はまた新たな気持ちで、再スタートを切る。はずだった…。

 「今年のキャンプはすごく順調にきていたけど、終盤にけがをして、リハビリをして。また違うところを痛めて、3回ぐらい違う個所を痛めて、リハビリ生活を続けていました。投げては痛めて、気持ち的にも年齢もあるのかなと感じた」

 度重なるけが。治りかけても、また別の個所が痛む。一進一退の日々が続いた。3軍も経験した。「いままで痛めていないところを痛めたり、自分でもなんでこんなところ? というのはあった。年齢もあるし、今までの疲れもでているのかなと思う」と振り返るが、マウンドに上がれない悔しさ、もどかしさはあっただろう。そして今季、1軍での登板がない左腕の胸のうちには、きっと複雑な思いがあるはずだ。

 それでも目指す、険しい「1軍」への道。そんな山口鉄の道しるべとなっているのが、2人の先輩だ。まずは3歳上の杉内。2015年に右股関節の手術を受けた通算142勝左腕は、現在も復帰に向けてリハビリ中だ。自身よりも長いトンネルを歩く先輩を見て、「ずっとリハビリをやっていて、辛いという姿を見せない。ひたむきにリハビリに励んでいる。自分もけがをして、リハビリをしているときに励みになりました」とその前向きな姿に、逆に励まされた。

 そしてもう一人。1歳上の内海だ。オフシーズンの自主トレを共に行うなど、公私ともに親交の深い先輩。開幕は2軍ながら、結果を残し、前半戦で先発ローテーション入りの切符をつかんだ内海の存在も、山口鉄にとってはとても大きい。

 「ずっと一緒にやらせてもらっていて、公私ともにお世話になっている先輩。苦しんでいる時期でも苦しんでいる姿は見せないで、いつもと変わらない姿勢で取り組んでいるのを見ている。だから、1軍で投げている姿というのは励みになります」

 7月31日、DeNA戦。内海は、自身4年ぶりの完封勝利を挙げた。内海も、背水の覚悟で臨んでいる今季。がむしゃらに1軍で投げている先輩の姿を見て、山口鉄が奮い立たないはずがなかった。内海は言う。

 「(ファームでは)弱音ばかり吐いていた。『しんどいな』と言っていたけど、俺が(1軍に)上がってきて、完封を見て、(山口鉄が)『本当に1軍に上がりたくなりました』と言っていた。それが聞けてよかった。もがいていると思うし、俺ももがいていた。でも、打破するのは自分自身だから」

 かつては、先発と中継ぎの柱としてチームを支えていた2人。だからこそ、もう一花咲かせたい。もう一度、同じ1軍の舞台でプレーしたいという思いはある。

 内海 「ぐっさん(山口鉄)のことばかり考えている。自分も他の人のことは考えられない状況だけど、ぐっさん(山口鉄)と一緒に投げたいと思ってやっている。僕も今か、今かと待ちわびていますし、(山口鉄が1軍に)呼ばれたときに、自分も1軍にいられるようにしたい」

 山口鉄 「内海さんが1軍で投げていると、もう一回、一緒に(1軍で)やりたいという気持ちになります。1軍でやっているときは楽しかったから」

 募る1軍への思い。登板数0のまま、終わるわけにはいかない。山口鉄は27日現在、イースタン・リーグ14試合に登板し、0勝0敗、防御率6・57。「(1軍で)投げないと。戦力にならないと。今は、1軍でやることを目標にやっている」と、1軍のマウンドを決して諦めていない。

 周りの声もあるだろう。焦りも不安もあるだろう。だが、山口鉄は前だけを見つめ、歩み続けている。(赤尾裕希)

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