【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】阪神の18年ドラフト最上位ランクは東洋大のビッグ3 金本監督は即戦力投手を1位指名できる環境を! - SANSPO.COM(サンスポ)

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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】阪神の18年ドラフト最上位ランクは東洋大のビッグ3 金本監督は即戦力投手を1位指名できる環境を!

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今春の東都リーグ優勝を決め、ポーズを決める(左から)東洋大の梅津、甲斐野、上茶谷  4年ぶりの即戦力投手イの一番、ドラフト1位指名へー。阪神2018ドラフト戦略を前進させるためにも金本知憲監督(50)は計画通りに若手野手育成を果たさなければなりません。水面下で進むスカウト戦略の核心は東洋大の右腕ビッグ3(梅津晃大投手、甲斐野央投手、上茶谷大河投手)の最上位ランクアップです。投手のイの一番1位指名となると、14年の有原(早大→日本ハム)以来4年ぶりですが、若手野手の伸び悩みで他のポジションにも補強ポイントは山積しています。背後の憂いなく投手を1位指名できる環境を鉄人は早急に整えなければなりません。

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 あまりにも出来すぎた? タイミングでした。先週(5月27日アップ)のコラムで鳥谷の連続試合出場が「DH制のある交流戦突入&6月13日開催の阪急阪神HD株主総会を前に風雲急を告げる…」と書きました。すると5月29日のソフトバンク戦(甲子園球場)でスタメンから外れた鳥谷は最後まで出場機会がなく、歴代2位(衣笠祥雄氏の2215試合が1位)の1939試合で記録はストップしました。

 0ー1で迎えた八回裏二死満塁のチャンス。投手のメッセンジャーに打席がまわってきたところが、代打出場の唯一のチャンスでしたが、金本監督は代打・伊藤隼を選択(結果は三振)。鳥谷の名前は試合終了までコールされませんでした。

 「いつかは止まるものなので。いい時も悪い時もケガをしても使い続けてくれた監督たちに感謝しています」

 その試合終了時点での成績は44試合出場で打率・143、本塁打0、打点5。開幕から続く打撃不振は深刻を極めていました。苦渋の決断を下した指揮官は試合後にこう語っています。

 「いつまでもというわけにいかない。試合をやっている以上は。状況がありますから。本人もそこには特にこだわっていないということだった」

 金本監督と鳥谷はシーズンオフの間から話し合いを重ねていたようで、コメントを聞く限りは両者納得ずく…という空気でした。

 しかし、昨季から続く鳥谷の起用法には周囲からの様々な声がありますね。昨季は35歳の段階で遊撃から三塁にコンバートされ、それでも143試合出場、打率・293で本塁打4本、打点41。ゴールデングラブ賞を獲得しています。

 それでも、なお金本監督は今季、大山を三塁で起用したいがために二塁転向を求めました。そして、スタメン出場も減っていく中での打撃不振…。

 「監督は鳥谷にあまりにも冷たい」という阪神OBの声。「鳥谷が可愛そう…」という関係者の声…。これらの声は今後のチーム成績によっては金本監督の背中に様々な形で容赦なく、突き刺さるでしょうね。

 そして、本題です。これも今季のチーム成績や若手野手育成の成果とリンクする話です。現在、水面下で進められているスカウト戦略。その核心を取材すると、2018年のドラフト会議、1位指名は即戦力投手ーという答えが見えてきます。

 球団の最上位ランクに評価されているのは東洋大の右腕3投手なのです。梅津晃大投手・右投げ右打ち、1メートル90、82キロ=仙台育英出身。甲斐野央投手・右投げ右打ち、1メートル85、76キロ=東洋大姫路出身。上茶谷大河投手・右投げ右打ち、1メートル81、85キロ=京都学園高出身。

 阪神の球団関係者はこう打ち明けました。

 「今年のドラフトは東洋大の3投手。この3人がずば抜けている。1位指名の最有力候補だ。3人の中で後は先発タイプを選ぶのか、ストッパーなのか…。焦点はまさにそこだね」

 現時点での起用法を見ると梅津と上茶谷は先発タイプで甲斐野は抑え。いずれも即戦力で通用する球威とキレを持っているので、後はチーム事情との相談…というニュアンスですね。もちろん、狙っているのは阪神だけではなく、プロ12球団が熱い視線を送っている3投手です。

 阪神の昨年ドラフト1位は馬場皐輔投手(仙台大)でしたが、イの一番での1位指名ではありません。まず清宮(早実→日本ハム)を指名し、抽選で外れ、さらに安田(履正社→ロッテ)も外しました。外れの外れで馬場でしたね。

 15年は高山(明大)、16年は大山(白鴎大)でしたから、イの一番の1位は3年連続で野手だったのです。投手のイの一番の1位指名は14年の有原以来です。その前は13年が大瀬良(九州共立大→広島)、12年が藤浪でしたね。つまり4年ぶりの即戦力投手1位へ球団は舵を切ろうとしているわけです。

 しかし、このプランが今後も前に進むのか。これは微妙な部分も残されています。なぜなら野手の1位指名を続け、チーム構想として「若手野手の底上げ、育成」をテーマとして掲げながら、今季の成績はあまりにも期待外れだからです。とてもチーム構想、編成計画通りに進んでいるとはお世辞にも言えません。

 5月31日時点で規定打席に到達している阪神の若手野手は糸原(47試合出場、打率・275、本塁打0、打点10)だけですね。鳥谷を二塁に転向させてまで三塁に起用したプロ2年目の大山は43試合に出場。打率・211、本塁打2本、打点15です。昨季の成績(75試合出場、打率・237、本塁打7本、打点38)と比べても成長しているとは言えません。このことが鳥谷の一連の起用法に対して周囲の喧騒が激しくなる要因ですね。

 江越は1軍ベンチにいますが、出場機会はほとんどなく、15年ドラフト1位・高山は2軍です。さらに2年前は遊撃定着を期待した北條も1軍での出場機会が31日時点でありません。

 中谷もやっと5月中旬に1軍昇格で8試合出場し、打率・250、本塁打1本、打点3ですが、昨季は本塁打20本をマークした打者としてはあまりにも寂しい現状でしょう。

 こうした若手野手の伸び悩みはチームの構想に深刻な影を落としています。福留や糸井の後継者が育たず、ベテラン依存から脱却できるメドが立ちません。遊撃は植田海が定着しつつありますが、果たしてこのまま伸びるのか…。もっともっとドラフト上位で野手を指名しないと、前途を悲観せざるを得ない状況が見えてくるのです。

 ドラフト候補には大阪桐蔭の根尾昴遊撃手、藤原恭大外野手、報徳学園の小園海斗遊撃手ら将来有望な野手もたくさんいますね。こうした野手指名に目移りするならば、背景にあるのは現状の若手野手の成長が編成計画通りに進んでいない実態といえるでしょう。

 現在の阪神を見れば、誰がどう見ても福留と糸井2人がチームを牽引している、と見て取れますね。福留は41歳です。糸井は7月31日の誕生日で37歳ですね。どうするのでしょうか…。

 まさに背後の憂いなく東洋大のビッグ3から選択できるチーム状況を一刻も早く築かなければならないでしょう。それが若手育成路線を主張していた金本監督の責任なのです。中長期的に監督を任された責任ですね。(毎週日曜掲載)

植村 徹也(うえむら てつや)

1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として、阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月曜日~金曜日、午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド」に出演中。

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