【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】金本阪神の開幕構想に危険信号…ロサリオの打撃は他球団によって“丸裸” 投手陣も誤算続き - SANSPO.COM(サンスポ)

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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】金本阪神の開幕構想に危険信号…ロサリオの打撃は他球団によって“丸裸” 投手陣も誤算続き

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今年のオープン戦は白星から見放されている金本監督  金本阪神の開幕構想に危険信号が点灯です。阪神は17日の中日戦(ナゴヤD)に2ー12と惨敗。これでオープン戦12試合2勝9敗1分の12位、つまり最下位です。たかがオープン戦と言うなかれ、質量ともにリーグ屈指と思われた投手陣に誤算続発。守備陣の乱れも止まる気配がなく、攻撃陣では新戦力ウィリン・ロサリオ内野手(29)が他球団によって“丸裸”にされ、本塁打ゾーンが完全分析されたのです。金本知憲監督(49)から焦りの声は漏れてきませんが、早く立て直さないとシーズン開幕(3月30日=巨人戦・東京D)は待ってくれません。

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 最初は満足、安心、充実…。そんな雰囲気の中で春季キャンプを終えた金本阪神の様子がどうもおかしいですね。いや、おかしい…どころか、これは重大な危機です。

 オープン戦12試合を終了した時点で2勝9敗1分の勝率・182で12球団最下位。まさに後ろには誰もいません。たかがオープン戦? そんな空気がベンチにあるとすれば、もう救いはありません。

 金本監督はキャンプ終了時に「今年のチームは過去3年間の中で一番強い。採点は90点から95点です」と胸を張りましたね。昨季のキャンプ終了時の採点が「甘め」に付けて80点でしたから、指揮官の点数の大幅アップに球団幹部も大喜びでした。

 「優勝旅行はハワイに内定!!」

 3月上旬にはこんなとんでもない発言までスポーツ紙に掲載されましたね。

 勝負事は下駄を履くまで分からないのが常識です。それなのに、まだキャンプ終了時にもかかわらず「優勝旅行はハワイに内定」などと浮かれていて大丈夫だろうか? と見ていたら、アレレ…チームはオープン戦で敗走に次ぐ敗走。これではキャンプ終了時の監督採点まで疑いの目を向けざるを得ませんね。

 低迷の中身を探ると、まさに危険信号です。まず質と量はリーグ屈指と思われていた投手陣に誤算が続発しています。4年連続5度目の開幕投手に内定しているメッセンジャーがキャンプ後半に右肩の疲労を訴えました。このコラムではメッセ不安説を解消するのが大きな課題ーと書きました。その後、ブルペンに戻ったメッセンジャーはオープン戦に2度の先発登板で3・30に標準を合わせていますが、150キロ超を誇っていた直球が完全に戻っているか? といえばそうではありません。

 「今年のメッセは直球に威力がない。膝の負担を軽くするために減量したことが球質に影響しているのかも…。まだ開幕まで2週間だから。どれだけ仕上げてこれるか…だね」とは阪神OBの言葉です。先発ローテの大黒柱が仮に不安定のままシーズンインとなれば先発投手陣の安定性は大きく損なわれます。

 さらに不安要素は藤浪です。これも突然、大崩れする昨季までのパターンから脱出できていません。オープン戦の投球を見た球団関係者はこう漏らしていました。

 「藤浪は今年も不安やな。走者が出ると急にバタバタし始める。とても信頼はできないやろ。それでも金本監督は当面、藤浪を先発ローテに入れるだろうけど、勝ち星を計算できるか? と聞かれればそれは…なぁ」

 17日の中日戦に投げた岩貞もサッパリです。走者が塁に出るとマウンド上の姿が急変。リリースポイントは一定せず、球にバラつきが出ます。6回を5失点でしたが、ネット裏の評論家は一斉に「これで開幕ローテに入れるのは厳しいぞ」と声を揃えました。

 誤算は先発陣だけではありません。昨季はチームを支えたリリーフ陣にも不安要素満載です。中継ぎ左腕の高橋聡の状態が上がらず、登板する度に打たれています。藤川球児の直球にもキレが戻っておらず、17日の中日戦では福田にインハイの直球を3ランされましたね。

 「全盛期の球児なら絶対にホームランにならないコース。それを左翼席上段まで持っていかれたんだから。球威がない証拠だ」と阪神OBはつぶやきました。

 金本監督ら首脳陣は高橋聡の不調を見極めたのか、先発構想に入れていた岩崎をリリーフに配置転換。そして、先発のテコ入れのため西武との交換トレードで榎田を放出し、岡本洋介投手(32)を獲得しました。まさに開幕直前の駆け込みトレードですが、そうしなければならないほど、投手陣が不安なのです。

 攻撃陣にも“重大問題”が発生しています。キャンプ時は本塁打を打ちまくったロサリオがオープン戦で打撃不振に陥りました。17日の中日戦の初回表、小笠原からオープン戦第1号の特大アーチをかけました。これで安心と言いたいところですが、そうはいきません。

 オープン戦は9試合に出場して23打数4安打1本塁打3打点で打率・174です。実は他球団のロサリオに対する攻め方に低迷する数字の裏付けがあるのです。

 「ロサリオの打撃は丸裸にされているわ。ハッキリ言って、本塁打にできるゾーンが限られているんだ。真っ直ぐ系のやや内角寄りのボールは簡単に放り込む。しかし、打つ瞬間に右足を後ろに引くやろ。あれでは外角の変化球はヒットは打ててもホームランにはならない。シーズンに入ったら間違いなく外角の変化球攻めやな。インコースは真っ直ぐ系でボールにするだろう。ヒットならOKという攻め方にどう対応するか? オープン戦では苦労しているな」

 他球団の関係者はそう漏らしました。となると4番ロサリオに本塁打量産の期待ができなくなる重大問題なのです。

 さらに守備陣にも綻びが目立ちます。遊撃は糸原で決まりでしょうが、守備範囲が広いわけではありません。二塁は鳥谷と上本の併用。急仕上げの二遊間とあって、併殺を取れる場面で逃したり、つまらないミスで走者を生かしたり…。

 12試合消化時点で投手陣のチーム防御率は3・46。これは12球団で3番目の成績です(巨人が3・04でトップ)。にもかかわらず、チームの失点数は61。これは12球団最悪。つまり投手の自責点が付かない失点が多いのです。投手の足を引っ張るエラーがいかに多いかですね。

 投手陣に誤算続発で4番の長打力にも疑問点が浮上し、守備陣はズタズタ…。これが2勝9敗1分の中身なのです。皆さん、どうでしょう。暗澹(あんたん)たる気持ちになりませんか。

 しかし、下を向いていても始まりません。まだ開幕まで2週間ありますね。突きつけられた課題をひとつひとつ解消しなければなりません。

 「こんなんでは心配やわ…。大丈夫かなぁ」

 球団首脳の中からも現状に対する不安感が広がり始めました。「優勝旅行はハワイに内定」などとアグラをかいていてはダメですね。昨季2位の原動力となった投手陣を中心とする守りの野球にどこまで修正できるか。3年目の采配となる金本監督の手腕に注目です。(毎週日曜掲載)

植村 徹也(うえむら てつや)

1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として、阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月曜日~金曜日、午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド」に出演中。

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