【検証’18】数値を制すものはペナントを制す!DATA野球新時代 - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

【検証’18】数値を制すものはペナントを制す!DATA野球新時代

更新

パソコンなどを駆使して有効なデータを届ける(撮影・佐藤春佳)  プロ野球界は、データ化の大変革の渦中にある。今季までに広島を除く11球団がトラックマン(高性能弾道測定器)を導入。2月1日に始まるキャンプでは各球団のブルペンなどで簡易型も活用される。さらに新測定器も上陸間近…。ドラフト戦略や練習などが根本から変わるプロ野球の未来予想図とは-。スポーツデータを扱うトップ企業「データスタジアム」の取締役執行役員で元ヤクルト投手の松元繁氏(46)と野球界随一のアナリストである山田隼哉氏(29)に聞いた。(取材構成・佐藤春佳)

<< 下に続く >>

 プロ野球界で今、最も必要とされている人材は、データのスペシャリストだ。2014年の楽天を皮切りに、11球団が「トラックマン」を導入。球の回転数、回転軸などさまざまな数値がはじき出されるが“素”のままでは現場は手に負えない。それらを集積、分析して、分かりやすく伝えるのが彼らの役目だ。

 「データを伝えやすい形に調理して活用してもらうハブ(拠点)になれるように考えています」と松元氏。データスタジアム社は04年から全球団と提携。近年は球団の分析システムの立ち上げへの助言や、スタッフの派遣などで支えてきた。

 データの取得方法は多様化している。今春のキャンプでは巨人など複数球団が、ブルペンに投球回転数などを測定する「ラプソード」を導入。さらに、バッテリー間だけではなく、守備の反応速度や効率性まで数値化できる、光学カメラをベースとしたデータシステム「トラキャブ」も上陸間近だ。

 数年後にはこれらを網羅し、グラウンド上の全プレーを瞬時に数値化する「スタットキャスト」が主流になる見通し。データ主流時代は、山田氏のようなアナリストが鍵を握る。同社でデータを抽出、分析して球団に提供するトップクラスの存在だ。

 「勝てるためのデータ、意思決定につながるデータ。多少は主観も入りますが、淡々とデータに基づく解釈を伝えるようにしています」と山田氏。アナリストが球団職員に採用されたり、派遣されたりというケースも増えてくる。

 山田氏は「今までスコアラーさんは選手出身。今後は野球未経験者でも数字は得意で、固定観念にとらわれずに野球の本質に切り込める人がスコアラーや編成を務めることもあると思う。取れるデータはどんどん増えるので、コーチも取捨選択して選手に伝えていく力が必要になるでしょう」と占う。

 データの可能性について松元氏は「スカウティングやメディカルなど、統合的なデータの活用方法はどの球団も考えている。各専門家を含めて何が育成のためにベストか、技術的に何がベストなセオリーか、正しい方向に導いていきたいとも考えています」という。数字の“黒船来襲”が、野球界の未来を切り開く。

★最後まで可視化できないもの 松元氏「メンタル面」山田氏「配球」

 野球界で、最後まで可視化できないものは何か。松元氏は「メンタル面」とし「ただトレーニングの段階では脳波を取れる仕組みもある。集中力の持って行き方などは可視化できるかもしれない」と話す。山田氏が挙げたのは「配球」だ。「日本では配球の評価が高いですが、何が正しいかを証明するのは難しい。結果に対してリードがどれくらい貢献したか、責任の割り振りは解明できないのでは」と分析した。

データスタジアム株式会社

 2001年4月設立。本社所在地は東京都港区赤坂6-2-4 S-GATE赤坂。代表者・加藤善彦。従業員数100人。プロ野球、Jリーグ、ラグビーなどのデータを取得、蓄積、分析。スポーツ団体や選手などをサポートする一方、メディアやファン向けのエンターテインメントコンテンツを提供している。

ランキング

PR