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育成ドラフト出身史上初!巨人・篠原、支配下わずか3日で初登板勝利

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“孝行息子”の篠原(右)は高橋監督とがっちり握手。2人とも最高の笑顔だ(撮影・矢島康弘)  (セ・リーグ、巨人1-0ヤクルト、2回戦、巨人2勝、19日、鹿児島)救世主が現れた!! 巨人は19日、ヤクルト2回戦(鹿児島)に1-0で競り勝ち、4連勝で2位に浮上した。17日に支配下登録されたばかりの篠原慎平投手(26)が、負傷した先発の高木勇人投手(27)に代わって三回から急きょ登板し、3回4安打無失点の好投。育成ドラフト出身投手として史上初めて、プロ初登板で白星を挙げた。

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 夢にまで見た瞬間は突然、やってきた。1点リードの三回、マウンドに上がったのは、3日前まで育成選手だった篠原だ。3回無失点でプロ初登板勝利。桜島を望む鹿児島県立鴨池野球場で、シンデレラボーイが誕生した。

 「うれしいの一言では言い表せない感情。緊張する間もないくらいだった。一生忘れられない思い出ができ、鹿児島が大好きになりました!!」

 先発の高木勇が二回の打席でバントを試みて右手に投球を当て、緊急降板。篠原は一回、高木勇がマウンドで打球を右鎖骨付近に受けた際に急いで投球練習を始め、一度休んで、再び肩を作り直した末、1点リードの三回に登板。最速150キロの直球で押し、4安打を許してもホームは踏ませず、完封リレーに貢献。勝利投手となった。

 プロ初登板勝利は球団では2015年4月11日のヤクルト戦(東京ドーム)の田口麗斗以来で、育成ドラフト出身の初登板勝利は史上初の快挙となった。

 プロ入り前は独立リーグの四国アイランドリーグ(IL)で7年間プレーした。2010年6月に右肩関節唇を断裂し、3年間のリハビリ生活を送り、5年目終了後には香川へ移籍し、6年目の13年に復帰。だが地道なリハビリを終えた達成感で「満足して、プロになるのは諦めようと思った」と、同年シーズン終了後、一度は現役引退も考えた。

 しかし周囲の説得と、地元の愛媛で製紙工場に勤める父・徹さん(58)と給食センターに勤めながら支えてくれた母・牧恵さん(56)に励まされ「今年でプロに行けなかったら終わりにしよう」と7年目に奮起。直球の最速は153キロに到達し、14年の育成ドラフト1位でプロ入りを実現させた。

 独立リーグ時代の年俸は100万円。リハビリ中は練習生だったため無給だった。オフには愛媛のみかん畑で日給8000円のアルバイトをして生活費を得た。「俺が稼いで、両親を支えたい」。支配下契約したとはいえ年俸420万円。本当の恩返しはここからだ。

 チームは3戦連続完封勝利で、15日の中日戦(ナゴヤドーム)の四回以降、33イニング無失点を継続中。高橋監督は「横(ベンチ)から見ていても、いいボールだった。最初は緊張もあったと思うが、よく投げた」と絶賛した。あきらめずに夢を追った苦労人が、夢をかなえた鹿児島の夜だった。(谷川直之)


篠原慎平(しのはら・しんぺい)という男

 ★生まれ 1990(平成2)年6月13日生まれ、26歳。愛媛・四国中央市出身。

 ★球歴 小2で野球を始め、中学時代は川之江ボーイズに所属。今治精華高から2008年に四国・九州アイランドリーグ(現四国アイランドリーグplus)愛媛入団。10年に右肩関節唇を断裂。香川を経て15年育成ドラフト1位で巨人入り。17年4月17日に支配下選手登録された。

 ★趣味 トレーニング

 ★好きな芸能人 深田恭子

 ★交友 同学年のサッカー・ブラジルW杯日本代表の斎藤学(横浜M)とは、斎藤がJ2愛媛在籍時から親交があり、いまでも食事に行く仲。

 ★サイズなど 1メートル86、97キロ。右投げ左打ち

育成選手

球団の雇用枠を広げるための制度で2005年にスタート。支配下選手を65人以上保有した球団が採用できる。公式戦出場は2軍戦で1試合5人までだが、7月末まで支配下登録への変更が可能。選手獲得には育成ドラフトを経由する必要があるが、自由契約選手や外国人の雇用もできる。入団後3年以内に支配下登録されなかった場合は3年目の11月末日に自由契約となる。最低年俸は支配下の420万円に対して230万円。

データBOX

 〔1〕育成ドラフト出身の巨人・篠原がプロ初登板で勝利投手。育成ドラフト出身投手の勝利は今季の中日・三ツ間卓也(12日のヤクルト戦)に次いで17人目で、初登板で白星を挙げたのは史上初。これまでは2007年の巨人・山口鉄也と13年のロッテ・西野勇士がマークしたデビュー2試合目での勝利が最速だった。

 〔2〕巨人の育成ドラフト出身投手の勝利は、07年の山口鉄、12年の星野真澄、14年の土田瑞起に次いで4人目。

 〔3〕巨人は16日の中日戦(ナゴヤドーム)から3試合連続で無失点勝利。巨人で3試合連続の完封勝利は、1995年7月18-20日の阪神3連戦(甲子園)以来22年ぶり。

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