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さらばDeNA…山口が号泣FA宣言「残留したい気持ちも強かった」

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報道陣の質問に答えていた山口は、涙、涙。11年間プレーしたチームへの思いが一気にこみ上げてきた (撮影・加藤圭祐)  DeNA・山口俊投手(29)が8日、横浜市内の球団事務所を訪れ、今季取得した国内フリーエージェント(FA)の権利を行使する申請書類を提出した。球団側はFA宣言をしての残留を認めているが、山口は涙を流しながら「FAする意味合いは分かっている」と、愛着あるチームを退団する覚悟を示した。調査を進めている巨人など複数球団が獲得に乗り出す見通し。今季11勝を挙げた右腕獲得へ、争奪戦の号砲が鳴った。

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 言葉に詰まった。FA権行使の申請書類を提出した山口の目から、大粒の涙があふれた。

 「きょう(8日)の朝まで迷っていた。チームに愛着があるし、優勝を目指せるチームだと感じている。その中で自分が…」

 約30秒の沈黙。右腕は必死に声を絞り出し「FAする意味合いは分かっている。その点で悩んでいました」と続けた。

 球団は、今季チーム最多の11勝(5敗)をマークし、史上初のクライマックスシリーズ進出に貢献した山口と10月中旬に直接交渉。これまで禁じていたFA宣言しての残留を認めた上で、今季の8000万円から大きく上積みした年俸での3年契約という最大限の評価を提示した。

 しかし、山口は「残留したい気持ちも強かった。でも、選手である以上、評価も大事にしたかった」と説明した。2007年オフに新井(広島)が涙のFA宣言から阪神に移籍したように、その涙が、プロ入りから11年間プレーしたチームと別れる覚悟を固めたことを表していた。

 報告を受けた高田繁ゼネラルマネジャー(GM、71)は「優勝するには必要な戦力。他球団と交渉して、こっちでやろうと思ったら喜んで待っていると伝えた」と明かした。一方で「うちとして出せる最大限の金額を提示している。変わることはない。チームのバランスを崩すわけにはいかない」とチームへの影響を考え、これ以上の金額の上積みができないことも強調した。

 交渉解禁の11日から、争奪戦のゴングが鳴る。特に先発陣の再整備が今オフ最大の課題となっている巨人は、水面下で調査を開始。トレードで吉川光を日本ハムから獲得し、次の補強候補として森福(ソフトバンク)とともに照準を合わせる。10日のFA公示を待って、本格的に動き出す見通しだ。

 山口は「家族もいるし、生活環境のこともありますが、基本的には興味を持ってもらえるチームの話を聞きたい。フラットな気持ちです。FA残留も頭の中に置いている」と現在の心境を明かすと、決め手の一つとして「先発で勝負したい。そこが最低条件」と明言した。かつてはクローザーとして通算111セーブを挙げているが、あくまで「先発」にこだわり、交渉を進める。

 菅野に並ぶ今季リーグ最多の5完投。人的補償も発生するBランクとみられるが、完投能力のある投手は希少な存在だけに、巨人以外の球団が獲得に乗り出す可能性もある。元幕内力士谷嵐を父に持ち、「どすこい」の愛称で親しまれてきた山口。その動向に、球界の注目が集まる。 (片倉尚文)

DeNA・過去の主なFA権行使(前身を含む)

 ★谷繁元信(2001年オフ) 1998年に正捕手として日本一に貢献。FAで米大リーグ移籍を目指したが果たせず、中日に移籍した

 ★三浦大輔(08年オフ) “ハマの番長”は「年齢的にも最後」とFA宣言。阪神のラブコールを受けたが「横浜が好きだから」と残留した

 ★相川亮二(同) FAで米大リーグ移籍を目指したが交渉が難航し、ヤクルトに移籍

 ★内川聖一(10年オフ) 08年に首位打者に輝いた“横浜の至宝”は「他球団の話を聞いてみたい」とFA宣言。ソフトバンクに移籍した

 ★村田修一(11年オフ) 07、08年に本塁打王を獲得した主砲は「胴上げをしてみたい」と優勝へのあこがれから巨人に移籍

 ★金城龍彦(14年オフ) コーチ就任を要請されたが現役にこだわってFA宣言。巨人に移籍した

山口 俊(やまぐち・しゅん)

 1987(昭和62)年7月11日生まれ、29歳。大分県出身。柳ケ浦高では1年夏、3年春に甲子園出場。2006年高校生ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)入団。09年に先発から救援にまわり、1軍に定着。12年に史上最年少(25歳53日)での通算100セーブを達成した。14年途中に先発に再転向。今季は選手会長を務め、11勝(5敗)を挙げる活躍で球団初のCS進出に貢献した。1メートル87、97キロ。右投げ右打ち。既婚。今季年俸8000万円。背番号11。

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