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【出動!特命記者】ヤクルト寮に潜入(後編) 雄平やライアンを育てた絶品食堂

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【出動!特命記者】ヤクルト寮に潜入(後編) 雄平やライアンを育てた絶品食堂

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1月7日の昼食。ボリュームも栄養素もしっかりと考えられたメニューでツバメ戦士の胃袋を満たしている  プロ野球ヤクルトが埼玉・戸田市の「東京ヤクルトスワローズ戸田寮」の全容を公開。後編は、ツバメ戦士の体を支える食事に特命記者が迫った。日々のトレーニングや試合で体を酷使する選手にとって栄養面でのサポートは必須。食事などを提供する関係会社、ヤクルト・マネジメント・サービス(YMS)の責任者、三沢岳明氏(39)が選手の“胃袋管理”の秘訣(ひけつ)を明かした。(取材構成・上野亮治、山田結軌)

 初々しい、緊張した面持ちで6人の新人選手が入寮し、合同自主トレをスタートさせた。ヤクルトの戸田寮では1軍で活躍するためのサポートが、24時間体制で敷かれている。寮でのおいしい食事は楽しみであると同時に1軍への“準備”も兼ねている。体が資本の選手にとって食事も練習の一環だ。三沢氏がそのわけを教えてくれた。

 「1軍では遠征ばかりになる。だからこそ、ここ(寮)で『(普段)どのくらい食べたらいいか』を調整できるようになってほしい。出されたものをただ食べるのではなくて、自分で考えた量を食べる。コンディションに合わせた食事の質と量を知ってもらいたい」

 戸田寮での食事はビュッフェ形式で、選手が好きな物を好きな分だけ取り分ける。契約する管理栄養士が一日の摂取カロリーを朝、昼、晩の3食で4000-4500キロカロリーに設定。これは一般的な成人男性のおよそ2倍だ。寮生時代に、食事方法を確立させることも一流選手になるための訓練になる。

 「その先(退寮して)一人になったときに自分で考えてもらえればと思う」と三沢氏。食堂のホワイトボードには投手、野手に分けたアドバイスも書かれている。例えば、先発投手なら登板日に合わせて、前日にはおにぎりなどの炭水化物を多く、低脂肪食にし、野手ならウエートトレをした日はアルコール禁止、試合当日は肉類などのタンパク質を多くする-など。効果的な食事方法と知識を日ごろから学習できるように配慮している。

 栄養素を考えながら、飽きさせない工夫もされている。開幕日は赤飯を用意。七草がゆや、端午の節句に柏餅などを提供し、季節感を出している。魚は東京・築地市場から取り寄せ、刺し身やにぎり寿司にすることも。新人合同自主トレの初日だった今月10日は、赤飯と球団関係者がリクエストしたつけ麺が昼食に並んだ。三沢氏は「人気があるのは、つけ麺、肉巻きおにぎり、タコライスなどのご当地的なメニュー。選手の要望で試して、反応をみる。人気があれば定番化していく」と選手の希望にも柔軟に対応している。

 選手にはもちろん大好評だ。入団から4年間、戸田寮で生活した今季プロ13年目の雄平は「戸田寮の食事は好きでした。特にステーキ、牛タン、アジフライ、つけ麺、フルーツ。野菜もあり、バランスよく食事することができました」と感謝している。今オフに退寮した2013年の新人王、小川は入団当初から生野菜を多く食べるなどバランスを考えていたという。一方で、三沢氏は「畠山は食には無頓着だった」と苦笑いする。一人暮らしになるとバランスのいい食事の難しさと大変さを痛感する選手が多い。退寮してもオフの期間は2軍施設を利用し、意識的に野菜の多い食事を“食いだめ”する選手もいるという。

 食堂には調理師が3人、管理栄養士が1人、女性パートさんが詰めており、朝、昼、晩の3食を万全の態勢でサポート。神宮などでのナイター後でも、うどんなど消化のいい食事を作りたての状態で提供する。「作ってあるから、レンジでチンして」-ということは絶対にない。もちろん、ヤクルト商品はいつでも飲み放題だ。

★ヤクルト・マネジメント・サービス 三沢岳明氏に聞きました

 --献立は

 「管理栄養士が、だいたい1週間単位で立てています」

 --メニューは

 「昼はほぼ、麺とごはんもののセット。夜はきょう(1月7日)なら野菜炒め、から揚げなど。肉と魚は毎日いれています」

 --季節ものもある

 「開幕は赤飯。優勝したときはパーティーっぽくなりますね。5月5日に柏餅を出したりもします」

 --食材の調達は

 「(肉や野菜は)浦和や大宮の市場。魚は築地の市場から。選手に築地から取り寄せているといっても信じてもらえないですけど」

 --最近の大食いは

 「ここ数年では西田ですね。(他のメニューに加え)ひれステーキなら5、600グラムはペロリです」

 --担当して

 「(YMSの)社内から異動して7年目。39歳です」

 --ヤクルト商品は

 「食べ(飲み)放題です。牛乳が苦手な選手はヤクルトの乳製品で補えますから」

★僕たちもお世話になっています

 5年目のオフに退寮した10年目の川端の話 「印象深いのは年に1、2度おすしが出たこと。それも本当のすし店のように、ネタが入った透明の冷蔵庫が用意されて、まるですし店のカウンターにいる感じでした。あとはステーキ。ステーキが出るときは夜間練習がないんです。練習がないから覚えているんですが、体作りの一環だったんだなと思います」

 昨年に退寮したプロ3年目の星野の話 「寮の食事が本当においしい。お薦めは牛タンの塩焼きやカニ鍋。僕が寮を出る最後の日にはリクエストしたお好み焼きを出してくれてうれしかった」

 2年目の杉浦の話 「ヤクルトやミルミルなど、ヤクルト商品の飲み物が飲み放題なのがうれしい。食事がおいしくて栄養バランスも考えてくれるのでありがたい。海鮮丼やハンバーグが好きです」

 食堂係の三沢氏が大食漢として名前をあげた5年目の西田の話 「(午前中に)夕食のメニュー以外のものをリクエストしても出してくれた。つけ麺と肉巻きおにぎりが好きです」

★サンスポ記者もごちそうに

 戸田寮の充実したメニューに目と体を丸くしていた記者(上野)の姿を見た球団スタッフから、「食べていいよ」とうれしいお言葉をいただいた。食欲を誘うにおいに空腹も加わり、そば、おにぎり、野菜、グレープフルーツ、クレープ…と次々に手が伸びた。印象に残ったのは季節限定メニューの七草がゆ。故郷(鹿児島)の母が幼少期に作ってくれたおかゆの味を思い出した。調理スタッフの愛情を感じながら、あっという間にペロリ。メタボ気味の記者には危険すぎるおいしさに、ごちそうさまでした!!

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