2021.4.21 12:00

【ラグビーコラム】「日本にラグビーをなくてはならないものに」姫野の野望

【ラグビーコラム】

「日本にラグビーをなくてはならないものに」姫野の野望

特集:
ノーサイドの精神
オンラインで会見するハイランダーズ・姫野和樹

オンラインで会見するハイランダーズ・姫野和樹【拡大】

 【ノーサイドの精神】スーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド=NZ)に加入した日本代表NO・8姫野和樹が、順調なシーズンを送っている。

 3月26日のハリケーンズ戦(ダニーディン)で後半に途中出場してからは、3試合連続で先発。4月16日のブルーズ戦では地元のファンの前で初トライも決め、勝利に貢献した。

 「日本人としての力の証明をしたい」

 「日本にラグビーをなくてはならない存在にする」

 SRの試合後、疲れもいとわずオンライン会見に応じてくれる姫野は、こんな言葉をよく発する。2人のタックルをものともせず押し切り、決めたトライは、まさに力の証明で、NZ人が抱く日本人観を見直させたかもしれない。

 日本のトップリーグも毎週見ているそうで「同じポジションにいい選手が多い。ゆっくりしていられない。もっと日々の研鑽(けんさん)を積んでいかないと。そのためにこっちに来た」と、2023年W杯を見据えてライバルの存在も意識する。

 暮らしているダニーディンの町でも、姫野の存在は認知されてきた。ファンから話しかけられたり、サインや写真撮影を頼まれたりすることも多くなった。現地で「ヒメノ」という発音は難しいようで、「ハメノ」に近い発音で呼ばれているらしい。

 「ラグビーを国技にしている国の雰囲気など、ここにいるだけで感じられるのはありがたい。『なくてはならない存在』のロールモデルがここにある」

 5月下旬に始まる日本代表合宿には参加せず、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(英4協会の代表チーム)と対戦する6月下旬スコットランド遠征にはNZから駆け付ける予定だ。

 「キャンプより、試合に出ることの方が重要。もっと試合に出られるのであれば、こちらに残ることになる」

 王国での修業でひと回りもふた回りも大きくなった姫野が、スコットランドで大暴れするときが楽しみだ。

田中浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の60歳。