トップリーグ第1節第2日(21日、サントリー75-7三菱重工相模原、ギオンス)ラグビー王国のスターが勝利に導いた! 3季ぶりの優勝を目指すサントリーが大勝。今季から新加入したニュージーランド代表キャップ数88を誇るSOボーデン・バレット(29)は、初トライを含む計21得点と鮮烈デビューを飾った。
SOバレットがボールを持つたびに、スタジアムから熱い視線が送られた。過去に2度の世界年間最優秀選手を獲得した現役最高プレーヤー。ラグビー大国のニュージーランド(NZ)が誇るスターは、サントリーの勝利に満足げだった。
「やっと開幕戦を迎えられて、チームメートと戦えたことは感慨深い。ファンの前でプレーできたことに喜びを感じる」
新型コロナウイルスの感染拡大防止で歓声がない中で、熱気が最高潮になったのは前半42分だった。敵陣5メートルライン付近のスクラムを起点に攻撃を続けると、中央ラックから日本代表SH流大(ながれ・ゆたか、28)がバレットにパス。相手タックルをかわし、インゴールに飛び込んでトライを決めた。
瞬時に相手を抜くスピードに加え、パスとキックでも魅せた。前半5分にはオフロードパス(相手のタックルを受けながらつなぐパス)で主将の日本代表CTB中村亮土(29)へとつなぎ、流のトライを演出。コンバージョンキックは9本中8本を成功させた。「チームメートと素晴らしい経験を共有したい」という思いを実現させる1T8Gの21得点。圧巻のデビュー戦だった。
頼れる司令塔に、中村主将は「ボーディー(バレットの愛称)にプレッシャーがこれからもかかる。サポートしていけるようやっていきたい」。3季ぶりTL最多6度目の優勝を目指す名門に、隙はない。
「(目標に)優勝というのは当然ある。プレーヤーとして日々向上してきたい」とバレット。2022年1月開幕予定の新リーグ移行に伴う最後のTLを、スーパースターが彩る。(阿部慎)