1月の全国大学ラグビー選手権で初優勝した天理大が16日、学年ごとに体力測定を行い、新チームの練習をスタートさせた。連覇が懸かる新シーズンのかじ取り役を担う新主将のHO佐藤康(3年)は「連覇はあまり意識せず、チャレンジャーとして戦い、結果として日本一になりたい」と静かな闘志を口にした。
佐藤康は168センチと小柄ながら、ラインアウトの正確なスローイングや中学時代はSOをやっていたという走力などを武器に3年生からレギュラーに定着。大学選手権準々決勝の流通経大戦、準決勝の明大戦と2戦連続で2トライを挙げるなど、得点への嗅覚も優れる。小松節夫監督(57)から「連覇という重圧をはねのけてやれるのは、お前しかいない」と指名を受け、主将に就任した。
「うれしかったが、不安もある。話すのは苦手なので、プレーでチームを引っ張っていきたい」と力を込める。
新シーズンは1年生から活躍してきたCTBシオサイア・フィフィタ、SH藤原忍、SO松永拓朗のHB団(いずれも4年)ら主力の多くが卒業で抜ける。佐藤康は「最初は結果を残せないかもしれないが、どれだけ強くなれるか楽しみ。レギュラー争いが激しくなり、僕も安心できない」と闘志を燃やした。
関西勢では3連覇を達成した1982~84年度の同志社大以来の連覇へ、天理大の挑戦が始まった。(月僧正弥)
佐藤 康(さとう・こう) 1999(平成11)年5月10日生まれ、21歳。新潟市出身。4歳のときにニシカンJrRFCでラグビーを始め、幼小中と同クラブでプレー。中学時代はSO。学校では陸上部に所属し、短距離を専門とする。天理高入学後にFWに転向し、2年からHO。168センチ、96キロ。50メートル6秒7。