2021.2.10 12:00

【ラグビーコラム】大体大、思いと誇りが詰まったもう一つの“全国優勝” 全国地区対抗大会

【ラグビーコラム】

大体大、思いと誇りが詰まったもう一つの“全国優勝” 全国地区対抗大会

特集:
ノーサイドの精神
全国地区対抗大学大会で初優勝し、喜ぶ大体大の選手たち=1月6日、名古屋市・パロマ瑞穂ラグビー場(大体大ラグビー部提供)

全国地区対抗大学大会で初優勝し、喜ぶ大体大の選手たち=1月6日、名古屋市・パロマ瑞穂ラグビー場(大体大ラグビー部提供)【拡大】

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 【ノーサイドの精神】天理大の全国大学選手権初優勝で盛り上がった今季の関西大学ラグビー界でもう1校、“全国制覇”を果たしたチームがあった。今回で71回目を迎えた全国地区対抗大学大会(1月2~6日、名古屋市・パロマ瑞穂ラグビー場)で初優勝した大体大だ。

 実績からすれば、当然の結果に思えるかもしれない。

 出場条件は各地区で異なるのだが、現在の同大会には主に地方リーグを主戦場とする中堅大学が参加。関西からはこれまでCリーグ(3部)1位やBリーグ5位のチームが出場していただけにAリーグ優勝5度、全国大学選手権4強3度、何人もの日本代表選手を輩出してきた強豪は“異質”の存在だった。

 だが、そこまでの道のりは決して平坦(へいたん)ではなかった。

 大体大は昨季の入れ替え戦で関大に敗れ、AリーグからBリーグに降格。1年でのAリーグ復帰を目指していたが、コロナ禍でシーズン開幕直前、入れ替え戦が行われないことが決定した。CTB高永明日海主将(4年)は「何を目指し、どうしたらいいか悩んだ。4年生はぐちゃぐちゃになりかけた」と振り返る。

 このときは4年生で話し合いを重ね、「最後までやり切ろう。後輩に残せるのはそれだけだから」と目標をBリーグ優勝に切り替え、チーム崩壊の危機を乗り越えた。

 しかし、地区対抗大会の出場をめぐってチームは再び揺れた。

 コロナ禍で変則的なシーズンとなったことから今季はBリーグで優勝した大体大に同大会への出場権が与えられた。最終的には4年生を含めたベストメンバーで臨むことになるのだが、当初は目標でもなかった大会への出場に4年生の多くが難色を示し、話し合いが続けられたという。

 そんな紆余曲折を経て挑んだ大会本番で、選手たちが「今年やってきたことをすべて見せよう」(高永主将)と気持ちを一つに手を抜くことなく、プライドを持って戦ったことはスコアが物語る。

 1回戦=106-5金沢大▽準決勝=52-0東北大▽決勝=71-14鹿児島大。

 コロナに翻弄され、悩み、苦しんだ末にたどり着いた“ゴール”は本来目指してきたものとは違っていたはずが、優勝後の記念写真に写るメンバーの顔は誇らしげに笑っていた。(月僧正弥)