2020.12.20 12:00

【ネクストスター候補(32)】明大・雲山、将来の日本代表としても期待される成長株/ラグビー

【ネクストスター候補(32)】

明大・雲山、将来の日本代表としても期待される成長株/ラグビー

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トライを決める明大・雲山弘貴=19日、秩父宮ラグビー場(撮影・福島範和)

トライを決める明大・雲山弘貴=19日、秩父宮ラグビー場(撮影・福島範和)【拡大】

 2季ぶりの全国大学選手権優勝を目指す明大のFB雲山弘貴(3年)が、一回り大きくなった姿を見せている。1年時から活躍する187センチの大型BK。飛距離のあるロングキックと力強い走りを持ち味に、将来の日本代表としても期待される成長株だ。副将のSO山沢京平(4年)が今季絶望の中、先輩のためにも頂点まで駆け抜ける。(取材構成・阿部慎)

 FB雲山の存在が、2季ぶりの明大の大学日本一を手繰り寄せる。1年時に早大との“伝統の一戦”で公式戦初先発した男も、早くも3年生。貪欲な姿勢で、成長曲線を描いてきた。

 「去年はボールを持ったら、選択肢が一つしかなかった。今年は視野を広くして、3、4個はオプションを持ってプレーするようになった」

 兵庫・報徳学園高出身で、高校日本代表にも選出された。187センチ、93キロの恵まれた体格で、明大を最後尾から支える。今年1月にはスーパーラグビーに参加していた日本チーム、サンウルブズにも練習生として呼ばれた。将来を期待される文字通りの大器だ。

 だが、今季は9月中旬に流通経大との実戦形式の合同練習で左膝を負傷。「最初の2プレーでいいプレーができていたところで、けがしてしまった。最悪な時期だった」と振り返る。

 それでも、気持ちは切らさなかった。リハビリ期間も「体重と体脂肪の管理をしっかりしていた」。空いた時間もラグビーの映像を研究。東京・世田谷区の八幡山グラウンドでは1軍相当のAチームが練習に取り組む中、その周りを黙々と走り続ける姿があった。

 復帰は11月22日に行われた関東対抗戦の帝京大戦。先発で39-23での勝利に貢献すると、今月6日の早大戦でも34-14での勝利に導いた。19日に行われた大学選手権準々決勝の日大戦では、後半13分にトライ。調子は上がってきた。

 先輩の思いも、胸に秘める。1年時から活躍してきた副将のSO山沢京平(4年)は、9月に右膝の前十字靱帯(じんたい)を負傷して今季絶望。それでもチームのために助言を送る姿勢を見せている副将に対し、雲山も積極的に質問をしてきた。「的確なアドバイスをくれる。FBとしてのランニングコースを聞くと、今まで抜けていなかったのが抜けるようになった。京平さんの偉大さに気づきました」。2年時までFBを務めた先輩の教えが支えになっている。

 「京平さんの分まで絶対に優勝しないと」。重戦車FWを前に出すため、雲山のキックと走りは不可欠。コロナ禍に見舞われた異例のシーズンを、2季ぶりの優勝できっちりと締めくくる。

 【一問一答】

 --サンウルブズでの経験はどう生きたか

 「今までになかった感覚だった。コーチングコーディネーターの沢木敬介さん(現トップリーグ・キヤノン監督)からも、『もっと私生活にラグビーを取り入れるように』といわれた。いい合宿になった」

 --離脱期間はチームをどう見ていたか

 「今年は入れ替わりが激しいチーム。どんどんアピールしていかないと、試合に出られない。その厳しさを外から見ていた」

 --同じ3年生で活躍する早大のFB河瀬諒介選手はどうみているか

 「高校の時に最後の花園(2017年度準々決勝、○東海大仰星50-20報徳学園)で負けている。河瀬に対して意識しているところはある」

 --キック向上のために取り組んでいることは

 「足の蹴る動作に必要な筋肉をつけるウエートトレーニングを、毎日やっている。あとはキックのうまい人に自分から(アドバイスを)求めにいって、フォームなどを改善している」

■雲山 弘貴(くもやま・ひろき) 1999(平成11)年7月18日生まれ、21歳。兵庫・西宮市出身。5歳から西宮甲東RSでラグビーを始め、小学2~4年は神奈川・田園RS、小学5年から中学まで再び西宮甲東RSでプレー。兵庫・報徳学園高では2、3年時にFBで花園に出場し、高校日本代表にも選出された。1メートル87、93キロ。