2020.12.16 18:39

五郎丸「1季しか戦う気力、体力が残っていない」引退会見で心境、日本代表の後輩にもエール

五郎丸「1季しか戦う気力、体力が残っていない」引退会見で心境、日本代表の後輩にもエール

  • 記者会見に臨む、来年1月開幕のシーズン限りでラグビー・トップリーグの現役を引退する五郎丸歩=16日午後、浜松市
  • 2008年1月12日、大学選手権決勝で慶大を破り、「荒ぶる」を歌う早大ラグビー部員ら。右から、五郎丸歩、畠山健介、権丈太郎主将、中竹竜二監督
  • 2008年12月6日、突進するヤマハ・五郎丸歩(左)
  • 2015年9月19日、南アフリカ戦。五郎丸歩(左)とトライに歓喜する日本代表フィフティーン
  • 2015年12月26日、コンバージョンゴールを狙うヤマハ・五郎丸

 ラグビーの日本代表で活躍し、来年1月開幕のトップリーグ(TL)のシーズン限りで現役を引退するFB五郎丸歩(34)=ヤマハ発動機=が16日、静岡県内で記者会見し「残り1シーズンしか戦う気力、体力が残っていない」と心境を語った。引退後の去就は未定。14日には2023年W杯フランス大会の組み合わせが決定し、強豪イングランドと同じ1次リーグD組に入った日本代表の後輩たちへエールを送った。

 ■イングランド戦は「宿命」■

 黒のスーツに身を包んだ五郎丸は、真っすぐな目で会見場を見渡した。新型コロナウイルスの感染防止のため、地元静岡の報道陣約30人に限定した少し寂しい場内。他メディアはオンライン取材となった中、改めて引退を表明した。

 「選手を終えることの寂しさはあるが(ラグビーを始めてから)32年間全力で走り抜けてきた。私には残り1シーズンしか戦う気力、体力が残っていない」

 2015年W杯イングランド大会では、正確なキックを武器に主力として活躍。優勝候補の南アフリカを34-32で下して大金星をつかむなど、歴史的3勝に貢献した。

 34歳。「まだできるんじゃないか」という声もあったというが、「(ヤマハ発動機と)22歳のときに契約した瞬間から、35歳までは第一線で戦い抜くと決意していた」。ぶれない信念を持ち、この日を迎えていた。

 14日には23年W杯フランス大会の組み合わせ抽選会が行われ、世界ランキング10位の日本は同2位のイングランドと同じ1次リーグD組に入った。敵将は、15年大会で日本を率いた恩師のエディー・ジョーンズ監督(60)だけに「宿命を感じる。ラグビーが生まれたイングランドという素晴らしい国に勝利することで、また日本ラグビーの価値が高まる。『最大のターゲット』として、後輩たちには頑張ってほしい」と桜戦士にエールを送った。

 ■引退後は「全くの白紙」■

 現役引退後は「全くの白紙」。今季TLでのプレーと引退後の未来は、同時には考えられなかった。「不器用ですが、目の前のことを一つずつ積み上げてきた人間ですから」。まずは来年1月16日開幕のTLでの初優勝へ向け、日本ラグビー界のスターが最後の力を振り絞る。(阿部慎)

五郎丸 歩(ごろうまる・あゆむ)

1986(昭和61)年3月1日生まれ、34歳。福岡市出身。3歳でラグビーを始める。佐賀工高から早大に進み、1年からFBで出場し、3度の全国大学選手権優勝に貢献。2008年にヤマハ発動機入り。16年2月からスーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)でプレーし、同年6月にフランス1部リーグのトゥーロンに移籍。17年7月、ヤマハ発動機に復帰した。05年4月16日のウルグアイ戦で日本代表初キャップ。15年のW杯イングランド大会など代表通算57キャップ。185センチ、100キロ。