2020.10.19 12:00

【ベテラン記者コラム(58)】南半球や欧州でラグビーのテストマッチが再開、日本も「空白の1年半」をつくるな

【ベテラン記者コラム(58)】

南半球や欧州でラグビーのテストマッチが再開、日本も「空白の1年半」をつくるな

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ジェイミー・ジョセフHC

ジェイミー・ジョセフHC【拡大】

 ラグビーの国代表同士の戦いであるテストマッチが、いよいよ海外で始まった。まずは南半球でニュージーランド(NZ)とオーストラリアの伝統の定期戦「ブレディスロー杯」が2試合。新型コロナウイルス感染拡大で、3月初めに欧州6カ国対抗が中断して以来7カ月ぶりとなる。

 10月11日にウェリントン、18日にオークランドと、いずれもNZで開催。1戦目は16-16で引き分け、2戦目は27-7でNZが快勝した。シリーズは残り2試合(南半球4カ国対抗と併催)だが、31日にシドニーで行われる第3戦でNZが勝つか引き分ければ、2003年以来のカップ保持を18年連続に伸ばすことになる。

 6-9月にNZ、オーストラリアの国内大会として開催されたスーパーラグビーの内容では、NZがオーストラリアを圧倒的に上回っていた。選手の経験値でもNZが上で、初戦はNZがボロ勝ちするのではと思っていたがドロー。それも終了前ラストプレーでオーストラリアのリース・ホッジが狙った55メートルPGが右ポストを直撃して外れるという、オーストラリアに軍配が上がりかけた試合だった。さすがに2戦目は相性のいいオークランド・イーデンパーク(この試合前まで1994年以降テストマッチ43戦無敗)での一戦だったこともあり、NZがきっちり勝った。

 北半球でも24日に6カ国対抗が再開。アイルランド-イタリア(ダブリン)、ウェールズ-スコットランド(ラネリー)、イタリア-イングランド(ローマ)、フランス-アイルランド(サンドニ)の4試合を消化する。

 ひるがえってわれらが日本代表。6、7月のウェールズ戦、イングランド戦、11月のスコットランド戦、アイルランド戦のテストマッチ計5試合は全て中止。11-12月に開催される、欧州6カ国対抗構成国に2カ国を加えた「エイトネーションズ」にもノミネートされたが、「必要最低限の準備が整わない」(日本協会・岩渕健輔専務理事)ことで参戦を断念した。昨年のW杯後、代表活動はできないままだ。

 これはこれで致し方ない部分はあるが、2023年W杯フランス大会への強化へ、不安を感じるファンは多いだろう。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは「時間は十分にある」というが、来年1-5月にトップリーグが開催されることを考えると、本格的な代表活動再開はそれ以降とならざるを得ない。のちのち「空白の1年半」と言われないような方策を、おそらくジェイミーは今、懸命に考えているのだろうが。(田中浩)