2020.7.29 12:00

【ラグビーコラム】NTTコムの“もう1人の大物”FLギルがブレークダウンを熱くする

【ラグビーコラム】

NTTコムの“もう1人の大物”FLギルがブレークダウンを熱くする

特集:
ノーサイドの精神
NTTコミュニケーションズ入りするFLリアム・ギル。世界水準のボールハントを見せつける(NTTコミュニケーションズ提供)

NTTコミュニケーションズ入りするFLリアム・ギル。世界水準のボールハントを見せつける(NTTコミュニケーションズ提供)【拡大】

 【ノーサイドの精神】トップリーグ(TL)のNTTコミュニケーションズ(NTTコム)に元スコットランド代表主将、SHグレッグ・レイドロー(34)が加入したニュースは大きく報じられた。その陰に隠れる形になったが、FLリアム・ギル(28)という“もう1人の大物”も加わった。

 オーストラリア高校代表、U-20(20歳以下)オーストラリア代表、そしてオーストラリア代表と、年代別のナショナルチームを経験。ずば抜けたリーダーシップを持ち、2012年のU-20世界選手権ではオーストラリアの主将を務めた。

 18歳だった11年にレッズでスーパーラグビーデビュー。オーストラリア代表には翌12年に選出され、同年11月のニュージーランド代表戦で初キャップを得た。これまで15キャップを獲得したが、全て途中出場だ。

 185センチ、95キロのサイズはワールドレベルでは小柄。運動量とスピードを生かし、ボール獲得を最大の任務とするオープンサイドフランカーが彼の持ち場だが、同じポジションにはジョージ・スミス、デービッド・ポーコック、マイケル・フーパーという世界的ボールハンターがいて、常に彼らとの競争が待っていたせいでもある。

 16年にフランスリーグのトゥーロン入り。元日本代表FB五郎丸歩とチームメートだった。17年に同リーグのリヨンに移籍した。

 長々と経歴をつづってきたが、若年のころから期待を背負いながらプレーした、正統的な逸材だったことがわかる。彼の見せ場は、タックル後のボール争奪の場となるブレークダウン。昨年のW杯で認知された「ジャッカル」(タックルされた相手のボールを、立った状態で奪い取る)で何度もチームのピンチを救った。NTTコムもボール奪取能力の高さと、統率力に期待して獲得したのだと思う。

 NTTコム入団発表時に、ギルはこうコメントした。

 「ラグビーだけでなく、日本の文化や生活を経験するのをとても楽しみにしております。今後日本のラグビー界がハイレベルであり続けられるように貢献していきたいと思っています」

 サントリーで活躍したスミス、パナソニックのポーコックのように、ギルの登場でTLのブレークダウンがこれまで以上に熱く、ハイレベルになることは間違いない。(田中 浩)

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の59歳。