2020.7.22 12:00

【ラグビーコラム】堀江翔太の好きな言葉と一流の心得

【ラグビーコラム】

堀江翔太の好きな言葉と一流の心得

特集:
ノーサイドの精神
堀江翔太

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 【ノーサイドの精神】来夏に延期された東京五輪まで、23日で1年。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るわなければ、昨秋のラグビーW杯日本大会で8強入りした日本代表のHO堀江翔太(34)、PR稲垣啓太(30)=ともにパナソニック、主将のFLリーチ・マイケル(31)=東芝、SO田村優(31)=キヤノン=が聖火ランナーとして沿道を走る予定だった。昨年のW杯の勢いを繋ぐような走りを、記者も心から楽しみにしていた。

 緊急事態宣言が発令される前の3月下旬。練習拠点の群馬県太田市内でランナーを務める予定だった堀江にインタビューを行った。取材後、コロナの影響でラグビーから遠ざかる読者へのメッセージを色紙にお願いすると、「僕の好きな言葉」と「PMA」と記した。

 Positive

 Mental

 Attitude

 その頭文字を取った3文字は、親交のあるスカパンクバンド「KEMURI」の代表曲だ。常に前を向く姿勢を表した言葉は、故障から何度も復活したW杯3度出場の34歳を支えた。トップリーグ(TL)も中止となった中、ファンや選手に伝えたいメッセージだったのだろう。

 コロナ禍で、大きな決断を下したパナソニックの後輩がいた。男子7人制日本代表候補でW杯でも活躍した福岡堅樹(27)は6月、かねてより明言していた医師の道を優先し7人制代表引退を表明。「一度決めた(代表引退の)タイミングを貫きたかった」と幼い頃からの夢を目指すため、会見で強い決意をにじませた。コロナ禍は自身でコントロールできないとの判断。落胆はなく、いたって前向きだった。

 また同じくパナソニックの後輩で代表候補の藤田慶和(26)は、東京五輪の1年延期に落ち込んだというが、2日で切り替えた。「成長できるチャンス。準備する期間が増えたということで、精いっぱいメダルに向けて努力していきたい」。先月29日から、代表活動は段階的に再開した。エース格として1年後の大舞台を見据える。

 東京五輪を目指すパナソニックの選手への期待について、3月に聞いた堀江の言葉を思い出す。「後輩たちを誇りに思う。一緒に練習も試合もやってきた自慢できる後輩。俺の後輩やぞって、(皆に)言いたいですよ」。

 共通するのは、常に前を向き最善の選択を下すこと。一流の姿勢には、ぶれがなく、尊敬の念しかない。1年後の東京五輪。アスリートの努力の成果を披露する場が整うことを、ただ祈るばかりだ。(阿部慎)

阿部慎(あべ・まこと)

1993(平成5)年生まれ、27歳。千葉県出身。2016年入社。整理部、ゴルフ担当を経て、18年11月からラグビー担当。ゴルフ・マスターズ、ラグビーW杯日本大会などを取材。