2020.4.22 13:00

【ラグビーコラム】ラグビーロスの今だから「温故知新」を

【ラグビーコラム】

ラグビーロスの今だから「温故知新」を

特集:
ノーサイドの精神

 【ノーサイドの精神】生のラグビーが見られなくなったので、昔の試合を動画サイトや、家に残っているビデオ(VHS!)などで見返している。1980年代の大学ラグビーなど、当時の雰囲気も知ることができて面白い。

 今の選手がこの映像を見たら、「これ、ラグビーですか?」と首をひねるに違いない。ボールは茶色い牛革製。スクリューパスなんぞはSH以外投げない。ラックはグチャグチャ。現在のルールだったら、さぞかしペナルティーばかりになりそうだ。ルールの違いも大きく、「あれ、このルールはいつ変わったんだっけ」と考えるきっかけにもなる。

 40年前のラグビーは今ほどフィジカルではなく、球技的要素の方が多かった。それが変わっていったのは、1987年にW杯が始まり、95年にプロが容認されたことが大きい。スポーツビジネスの流れに乗り、分かりやすく、スペクタクルな競技へと変わっていった。フィジカルが重視されるようになり、最近ではその反動もあって、安全性やプレーヤーのウエルフェア(健康管理)が競技形態に大きく影響を与えるようになった。

 昨年のW杯で“にわかファン”も増えた。トップリーグは史上最多の観客動員間違いなしの盛況だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で、あらゆる試合ができなくなった。ラグビーロスにさいなまれているファンの方も多いだろう。

 こんなときにお勧めしたいのが、「ラグビーの歴史」を探ることだ。動画サイトで昔の映像を見て、“カルチャーショック”を受けるのも楽しいかもしれない。書籍でもオークションサイトで古い雑誌を手に入れることができる。

 たとえば、昔は国と国とのテストマッチを第三国で開催することができなかった。これはラグビーの持つ「対抗戦形式」の精神で、その精神が関東大学対抗戦とリーグ戦が分かれる(1967=昭和42年)要因の一つになった、などなど、探れば今につながる知識も増える。まさに温故知新で、特に“にわか”の方はぜひ。本格ファンへの一歩を踏み出すことができるはずだ。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像  1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の59歳。