2020.2.12 12:00

【ラグビーコラム】日本代表選手のCM増を契機に、ラグビーの「価値」を考えよう

【ラグビーコラム】

日本代表選手のCM増を契機に、ラグビーの「価値」を考えよう

特集:
ノーサイドの精神
リーチ・マイケル

リーチ・マイケル【拡大】

 【ノーサイドの精神】CMは時代を映す鏡という。昨秋のW杯後、日本代表選手のCMでの露出が激増した。

 目につくところでは、FLリーチ・マイケルが「ソフトバンク」と「キリン 本麒麟」、PR稲垣啓太が「マイナビバイト」、SO田村優が「湖池屋プライドポテト」でそれぞれなかなかの演技を見せている。「富士フイルム」では年末年始恒例の「お正月を写そう」で、PR具智元、LOトンプソン・ルーク、LOジェームス・ムーア、SH流大、WTB松島幸太朗、WTBレメキ・ロマノラヴァの6人が、七福神にふんして出演した。

 かつてもラグビー選手のCMはあったが、そのほとんどはラグビーをしているシーンだった。つまり、彼らがラグビー選手であることを示さなければCMをみる人には分からなかったわけだ。それが、W杯で8強入りを果たしたことで、一気に認知度が上がった。バラエティー番組などでの露出が一気に増え、「ONE TEAM」が流行語大賞を受賞。稲垣の「笑わない男」は今では小さな子供まで知るキャッチフレーズになった。

 ラグビーをプレーしている姿を見せなくても、それが誰だか分かるようになった。そして、ラグビーそのものの好感度が上がったことも重要なファクターだろう。

 ラグビーが本質的に持つ「情熱」「結束」「品位」「規律」「尊重」の5つの価値から生まれる協調性、献身性、寛容の精神、フェアであることを重んじる精神といったものに、共感を覚える人が増えた。使う企業側にとっても、彼らが映るだけでそういうメッセージが自然と発せられるのだから、大きなメリットがある。

 だが、「時代」はうつろいやすい。今年は東京五輪もあり、金メダリストは大きくクローズアップされるだろう。「鏡」にいつまでもラグビーを映してもらうためには、前述の価値を、プレーヤー自身が振り返りながら常にブラッシュアップしていく必要がある。やる人にも、見る人にも、もっと魅力あるスポーツになってほしいと思っている。」

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の59歳。