2020.1.29 12:00

【ラグビーコラム】新リーグは「チームが事業を行う」 成否の鍵は「運営側のプロ意識」

【ラグビーコラム】

新リーグは「チームが事業を行う」 成否の鍵は「運営側のプロ意識」

特集:
ノーサイドの精神
試合を終え、健闘をたたえ合うサントリー・FB松島幸太朗(手前)と東芝のリーチ・マイケル

試合を終え、健闘をたたえ合うサントリー・FB松島幸太朗(手前)と東芝のリーチ・マイケル【拡大】

 【ノーサイドの精神】トップリーグ(TL)に代わり、2021年秋開幕を予定する新リーグ参入要件の骨子が固まった。

 要件は(1)各参加団体(チーム)は事業機能を持つこと(2)チーム名に地域名を取り入れること。企業名を入れるかについては任意(3)ホームエリアを決定すること(4)ホームゲームを開催できるスタジアムを確保すること。1部リーグのチームは23年までに1万5000人以上収容のスタジアムを確保できるよう、日本協会、リーグ運営法人、チームの3者で努力する(5)チームは事業運営するために事務局、財務担当、競技・イベント運営担当、広報担当、営業・マーケティング担当者をそれぞれ設置すること-の5つ。これらをどれくらい充足しているかを審査し、1部、2部(各8~12チーム)、場合によっては3部に振り分けるという。

 TLとの大きな違いについて、日本協会・岩渕健輔専務理事は「チームに事業を行ってもらうところ」と回答。そして「競技力をより高める必要がある。日本ラグビーが持つ大きなコンテンツの1つであり、サービス業として考えることも必要」とも話した。エンターテインメントとして、収益を見込める組織へと変貌することになる。

 昨秋のW杯で日本が史上初めて8強入りしたことに加え、ラグビーの持つ多様性、ラグビー憲章にうたわれる5つの価値(情熱、結束、品位、規律、尊重)が改めて見直され、“にわかファン”が拡大。TLにも第3節終了時点で、昨季の2倍近い観客が訪れている。だが、TL関係者は危機感を抱いている。

 「来季以降も右肩上がりになるとは考えていない。『事業』として考えるなら、収益をどうやって上げるか。まだ、そこがはっきり見えてこない」

 参入要件(1)の「事業機能」について、今のところ法人化、分社化してのチーム運営は求めていない。ただしリーグ運営は法人となって行う。究極の形は、Jリーグのように各チームが独立した法人として事業を運営して収益を上げ、リーグはスポンサーや放映権などで潤うことだ。それが何年先になるかは分からないが、過渡期として今回の形になるのは妥当としなければいけないだろう。

 成否の鍵は、リーグ、チームを含めた運営側がいかにプロに徹し切れるか。まずはそこにかかると思う。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の59歳。