2019.9.10 12:00

世界最強の男たちに注目せよ!ラグビーW杯2019日本大会、いよいよ開幕

世界最強の男たちに注目せよ!ラグビーW杯2019日本大会、いよいよ開幕

 9月20日に開幕するラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会。ラグビー強豪国以外ではもちろん、アジアでも初の開催となる楕円球の祭典だ。J SPORTSでは全48試合を生中継。世界最高峰のラグビーを全国に発信する。今大会で初のベスト8入りに挑む日本代表とともにラグビー・ファンが注目するのがニュージーランド(NZ)代表オールブラックス。第1回大会を制し、今回は3連覇という前人未到の高みをめざす。W杯では、栄光の漆黒のジャージーに2007年から2大会連続で袖を通し、11年大会では世界一メンバーにも輝いたSHアンドリュー・エリス選手(35)=神戸製鋼=に、オールブラックスがなぜ世界最強の座を守り続けられるのか、日本大会への期待を聞いた。

インタビュー取材に応じるエリス

--いよいよ日本を舞台にしたW杯が開幕します

「個人的には、いままでのW杯で最高の大会になると思います。4、5チームに優勝する力がある。日本代表がいい成績を残すことも、すごく楽しみですね」

--母国NZオールブラックスへの期待、3連覇への勝算は、どう考えていますか

「ここに来て(南半球4か国対抗戦の)ラグビー・チャンピオンシップで豪州に負けた(8月10日、26-47)ことで、チームには緊張感が増しているでしょう。そして、この敗戦がW杯に参加するすべてのチームにも緊張感を与えているはずです」

母国開催となった2011年のW杯で優勝したオールブラックス

--チームやNZ国民にはかなりショックな敗戦でしょうか

「NZでは、もちろんラグビーはナンバーワンスポーツですし、この黒星から目を背けることはできない。敗戦直後からニュースや雑誌などすべてのメディアで、この試合について報じられていました。こういう報道によって、ワールドカップで勝つことの厳しさ、緊張感が高まっています」

--なぜオールブラックスは常に世界最強のチームなのでしょうか

「NZにはラグビーが文化として根付いています。代表の活躍や苦闘は、すべての国民にかかわってくることなのです。学校でももちろんそうですし、週末のオフタイムもオールブラックスが話題と関心の中心です。学校から帰ってきて父親とボールを蹴ったりするのが日常としてあるのです」

--ご自身にはどんな思い出がありますか

「イングランドでオールブラックスの試合があれば、時差の関係で深夜の試合でも、3歳くらいで試合を見させられていました。その頃からハカを踊らされていた。それくらい国民全員の文化として根付いているものです」

--オールブラックス入りしたときの思い出は

「初めて選ばれたときは、謙虚な気持ちでした。このジャージーを着るということが、どれだけ自分にとって誇りなことなのか。そういうことを考えながらね」

W杯予選トーナメント(2011年)の日本戦でボールを奪うエリス(中央)

--勝ち続けることができる理由は

「いちばんの理由は、まずチームカルチャーが深く根付いていることが大きいと思います。例えば、自分がオールブラックスで与えられた9番のジャージーを見たときに、いままでこの番号を背負ってプレーしてきた偉大な先人たちのことを、すぐ頭の中に思い浮かべることができました。自分たちがオールブラックスの中でよく言い続けていたのは、『自分たちの将来に歴史を残していこう、いい形のレガシーを残していこう』ということ。そういう言葉が、そこら中で飛び交っているのです。まず自分たちが、いまの状態よりもよりよい歴史を残して、それを後に続く選手に渡していこう。常に自分たちがストライディング・フォー・エクセレンス、つまり秀逸さを求めて、常にどれだけ自分たちが動き続けることができるか。それが自然な文化として継承されることが、世界でいちばん強いチームをキープできていることの理由だと思います」

--素晴らしい文化の継承であり、選手1人1人の強い意思と責任感がありますね

「もう一つ、強さの理由として欠かせないのは、NZには素晴らしいコーチがそろっていることだと思います。協会もそうですし、マネジメント分野もそうです。どんどん若い優秀なコーチ、そして人材が入ってきています。このエリアでも、いいコーチたちが若いコーチにどんどんレガシーを渡していっている。そのために、いいコーチングが続けられているのです」

--日本大会の優勝の行方は?

「イングランドは間違いなく脅威になる国です。ウェールズもW杯になると常に強いですね。南アフリカ、豪州も侮れない。今回は、そこに加えてアイルランドです。ここ4年ほどは本当に強いチームとして君臨している。フランスも、W杯のタイミングでどういうチームになるか皆さんご存知のとおりで、いままでとは違うチームになります。最初にお話ししたことにつながりますが、前回までと比べて、より互角のチームが多いと思います。お客さんにとっては、逆にそれだけ激しい争いが見られる、見ていて楽しい試合が多くなると思います」

--オールブラックスも安泰じゃない?

「あの敗戦があったから、すこしナーバスになっているかも。その前(7月27日)にも、南アフリカと引き分け(16‐16)に終わっているし。でも、最終的にはオールブラックスは大丈夫だと思っていますけどね」

--いまのオールブラックスで期待しているのは

「キープレーヤーは、キャプテンのNO.8キアラン・リードですね。僕の親しい友人でもあるけど、人としても本当に素晴らしいですし、選手としても誰よりもタフにハードワークする男です。それに加えるなら、アウトサイドBKはエキサイティングな選手がそろっています。日本の皆さんも、このポジションの選手たちのスキルとスピードを目の前で見れば、きっと感動するはずです」

--優勝のために必要なことは

「W杯というのは6週間連続で戦う大会です。代表チームが6週間連続でプレーすることは、通常はありません。なので、どれだけメンバーを上手い形にローテーションしながら、フレッシュな状態を続けて、大きなけがを起こさずに回していけるかが大事になるでしょうね。プレーオフ(決勝トーナメント)に向かうにつれてどんどん気持ちを高めていって、自分たちを信じられる状況を作り、エキサイティングな状態にチームとしてもっていけるかが大事です。なので大会のいちばん最初にベストな試合を持ってこない方がいい。だんだんベストな状態にしていくことが大事になる」

--戦術面では

「プレーの部分では、ディフェンスが最も重要です。なぜならタイトな試合になることが多くなるので、簡単なタックルミスや規律の部分が試合の結果につながる可能性が高いのです。アタックの部分でいえば、正しいスペースにいる正しい選手にどれだけボールを渡していけるかです。たとえばCTBソニー・ビル・ウィリアムズ、FBベン・スミスらですね。彼らがスペースのある位置でボールをもらえたら、何かを作り出してくれる」

--昨秋オールブラックスが来日したときもW杯のシミュレ-ションをしていた

「そうですね。オールブラックスはW杯の前には、基本的にそういう準備をしています。その国にいき、代表レベルの試合をして、その中でおそらくW杯と同じホテルに泊まり、どんな雰囲気だったのかを選手に感じさせておくのです。プールやジム、どういう流れで練習場に行くのか。それを経験させておくことで、今回W杯で来日したときには経験済みのことになる」

--後輩たちに日本についてアドバイスをしたのですか

「オフに帰国したとき、どういう店がおいしいかといったコミュニケーションはたくさんしましたね。選手が気にしていたのは、天気がどういう感じになるのかです。僕は、W杯の序盤戦は暑いがトーナメントの終盤になると暑さはなくなるとアドバイスしました。日本の蒸し暑さは、雨が降っているのと似たようなコンディション。おそらく選手たちが対応しないといけないチャレンジの1つです」

--日本ではJ SPORTSが全試合を中継します

「僕の日本の住まいでも、中継を見ていますよ。海外の試合なんかは、英語への切り替えもできる。日本の人たちにも、ラグビーに対する興味が高まっていると思う。日本に来て5年になりますが、去年、神戸製鋼が優勝した後には、外出すると多くの人たちから『おめでとう』と言われましたが、5年前なら気づかれることはほとんどなかったと思う。花園ラグビー場で行われたパシフィック・ネーションズカップの日本-トンガ戦(日本が41-7で勝利)もチケットが完売していた。会場でW杯を観戦できない人は、ぜひ中継で楽しんでほしいですね」

アンドリュー・エリス

1984年2月21日生まれ。35歳。ニュージーランド・クライストチャーチ出身。NZリンカーン大卒。2006年にスーパーラグビーのクルセイダーズ入りして、NZ代表にも選ばれる。07年、11年W杯に出場。SHで通算28キャップ。15年に神戸製鋼入団。16、17年と世界選抜主将として日本代表と対戦。1メートル81、85キロ。

(提供)J SPORTS

44日間にわたる激戦を全48試合生中継!

J SPORTSは、アジアで初めて開催される「ラグビーワールドカップ2019™日本大会」の全48試合を生中継。3連覇をねらうオールブラックスはもちろん、日本代表や各国の激闘をリアルタイムで楽しむことができる。また、試合中継のほかにも、デイリーニュースやウイークリーハイライトなどW杯に関する情報も盛りだくさん。詳細はJ SPORTS 公式HPまで。

【ニュージーランド戦(1次リーグ)放送スケジュール】

2019年9月21日(土)午後6時25分~ ニュージーランドvs南アフリカ(J SPORTS 1)
2019年10月2日(水)午後6時55分~ ニュージーランドvsカナダ(J SPORTS 2)
2019年10月6日(日)午後1時25分~ ニュージーランドvsナミビア(J SPORTS 2)
2019年10月12日(土)午後1時25分~ ニュージーランドvsイタリア(J SPORTS 2)