2019.7.3 12:20

【ラグビーコラム】タックルは「腰から下」の時代へ!? WRが負傷予防で勧告

【ラグビーコラム】

タックルは「腰から下」の時代へ!? WRが負傷予防で勧告

特集:
ノーサイドの精神
ブランビーズ-サンウルブズ戦の後半、タックルを受けるサンウルブズ・マシレワ(中央下)=秩父宮

ブランビーズ-サンウルブズ戦の後半、タックルを受けるサンウルブズ・マシレワ(中央下)=秩父宮【拡大】

 【ノーサイドの精神】“ラグビーの華”といわれるタックルに、大きな規制がかかるかもしれない。国際統括団体ワールドラグビー(WR)の規則検討作業部会が先週、「負傷予防のための勧告」として、さまざまな提案を発表したが、その中で「タックルは腰より下まで」というものがあった。

 かつては膝下に入る低いタックルは好プレーと称賛された。しかし、現在ではオフロードパス(タックルを受けながら相手の背中側で通すパス)の好餌となりやすいことから、持っているボールを狙うような高さのタックルが勧められる。それはえてして、首から上の危険な部位へのタックルとなりやすい。体格やスピードを極限まで鍛え、よりフィジカルになった現代ラグビーでも、最も重傷事故が起こりやすいのはタックルをしたとき、されたときなのは昔から変わらない。特に頭部は鍛えようがなく、危険性は増したといえるかもしれない。作業部会も「腰より下」の理論的根拠として、「頭部障害の危険性を減らす」ことを挙げている。

 2018、19年のU-20(20歳以下)世界選手権では試験的に、肩の線から上へのタックル、いわゆるハイタックルについて、グラウンド上では見逃されたケースについても裁定委員会がビデオで確認した場合、出場停止などを科すことできるようにされた。タックルが許容される最も高い位置を「肩の線」から「乳首の線」まで下げることも提案された。

 作業部会の勧告の中には「ラックで立っていない選手は、すみやかにボールから遠ざからなければならない」とか、「ラックから出たボールが最初の攻撃側選手に達するまで、またはその選手がパスしないことを選択するまで、防御ラインは前に出ることができない」といったような、実際にルール化されたらおおごとになりそうな項目も含まれている。

 おそらく非公開でのテストを繰り返し、そこで採用すべきというお墨付きが出れば、試験的実施ルールとして取り上げられ、その後、本採用されて規則化されるのであり、勧告がそのままルールになるわけではない。ただ危険防止、安全推進というWRの昨今の方針を見ても、近い将来、タックルの規則になにがしかの変更がなされることは間違いなさそうだ。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の58歳。