2019.1.3 12:00

【ラグビーコラム】「シモさん監督」花園での涙 桐生第一の次のチャレンジ

【ラグビーコラム】

「シモさん監督」花園での涙 桐生第一の次のチャレンジ

特集:
ノーサイドの精神
桐生第一の霜村監督

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 【ノーサイドの精神】全国高校ラグビー2回戦、初出場の桐生第一(群馬)はBシードの強豪・常翔学園(大阪)に0-67で完敗した。チームを率いるのは37歳の霜村誠一監督。東農大二高(群馬)で花園に3度出場。関東学院大の全盛期に活躍し、三洋電機(現パナソニック)でも主力を務めた元日本代表CTBだ。通称「シモさん」。

 そんな霜村監督が、大敗の後、目頭を押さえながら言葉に詰まった。シモさんといえば、関東学院大でも三洋電機でも、勝っても負けても客観的に試合を振り返る、冷静なコメントが印象的だった。負けた悔しさが涙をこぼさせた…というわけではなかった。2015年春に監督に就任して4年目。霜村監督自身が県内、県外で声をかけた選手たちが集まった、いわゆる「手塩にかけた」チームだった。

 「このチームが終わってしまうということを考えたら…。いろいろな思い出がよみがえってきて…。ラグビーで泣いたのはいつ以来かな」

 最後は照れ隠しだったのだろうが、ここからはシモさんらしかった。

 「どういう風に爪跡を残して帰れるか、何をつなげるか。点差が開いてウチは得点もできなかったが、最後まで勇気を持ってタックルしてくれたのはうれしい」

 常翔学園は監督就任直後、初めて練習試合をしてもらった相手。桐生第一はAチーム、常翔はBチームだったが、100点近く取られたという。「翌年、同じようにBチーム相手にしたときは50点差ぐらい。A同士だったら、これぐらいですね」と悪びれずにいうところもシモさんらしい。選手たちも、常翔学園が監督にとって思い入れのある相手だということは分かっていて、タックルが生きがいのFL新井穂(みのり)主将は「(霜村監督の花園での最高成績・ベスト8を上回る)監督超え」を目標に掲げ、そこには届かなかったが、「60分間、タックルをやりまくれたので楽しかったです」と笑顔で胸を張った。

 シモさんはさらに言う。

 「群馬の決勝が終わって1カ月間、すごく充実していた。でも、そんなに簡単にはいかない。やることが県でトップだったかもしれないが、全国でということになると。全国トップは僕が一番狙っていたし、そのために桐生第一に来た。ここからが楽しみですね」

 そんな楽しみな今後は「来季もタックル、ディフェンスというところから始めて、アタックはボールを動かしてスペースを使うということは変わらない。加えてスキル、スピード、フィジカルにもアプローチしていく。だけど芯の部分はぶれずにやる。『この経験を糧に』ってよく言うけど、本当にそう思います」。

 シモさんなら、これからも毎年、終わると涙したくなるような思い入れのあるチームをつくり上げ、花園でも強い印象を与えてくれるだろう。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の58歳。

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