2018.12.19 11:55

【ラグビーコラム】大学ラグビーの頂点へ、問われるのは“4年力”

【ラグビーコラム】

大学ラグビーの頂点へ、問われるのは“4年力”

特集:
ノーサイドの精神
明大のSO松尾将太郎

明大のSO松尾将太郎【拡大】

 【ノーサイドの精神】大学ラグビーは22日の大学選手権準々決勝で8強が激突。大詰めへと差しかかっている。頂点への戦いがさらに激しさを増す中、こんな言葉が印象に残った。

 「ここからは“4年力”が試される」

 3回戦で立命大を破った明大のSO松尾将太郎が発したコメントだ。

 明大は立命大戦の2日前、4年生が集まり、東京・八幡山のホームグラウンド近くの中華料理店で会食。スーパー銭湯に繰り出し、文字通り“包み隠さず”、腹を割って話し合った。その内容は「4年生のリーダーシップ」についてだった。

 「やはり大学ラグビーは4年生です」

 大学の指導者は、異口同音にそう話す。最上級生の結束力、求心力が修羅場での大きな力となるのは、普遍的な法則なのだという。

 10連覇を狙う帝京大は、寮やグラウンド周辺の掃除など、4年生が中心となって雑用をこなすことで知られる。1年生には余裕を持って大学生活を過ごさせるために、仕事はほとんど与えられない。学年が上がるにつれやるべきことが増え、責任も大きくなる。3年間かけて“4年力”を養成しているのだといっていいだろう。

 SO古田京主将ら、4年前に花園に出場した慶応高のメンバーが中軸を占める慶大も、今季にかける思いは一層強い。4年生がほとんどレギュラーにいない早大でさえ、4年生自ら「僕らの代がどう過ごすかにかかる」と自覚している。

 もう30年以上も昔になるが、ある強豪チームのそのシーズン最後の、タイトルがかかった試合前日の練習で、真っ先にグラウンドに現れて黙々と個人練習を始めたのが1年生にポジションを奪われた4年生だったという記事を書いた。今さらポジションを奪い返せることはないが、自分がゆるむことでチームにゆるみが生じるかもしれない-自身のゆるみを彼は許せなかったのだと思う。そういう姿も“4年力”のひとつの表れ方だろう。次の日の試合で、そのチームは見事な勝利をおさめた。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の57歳。

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