2018.11.21 11:51

【ラグビーコラム】NZ破ったアイルランド、W杯の強敵の背中が近づかない

【ラグビーコラム】

NZ破ったアイルランド、W杯の強敵の背中が近づかない

特集:
ノーサイドの精神
ボールをキャッチするアイルランド代表のデビン・トナー

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 【ノーサイドの精神】来年のW杯で日本の最大の強敵、アイルランドがさらに強さを増した。11月17日のニュージーランド(NZ)戦。ダブリンのホーム、アビバ・スタジアムの5万1000観衆の前で、世界ランキング1位の黒衣軍を16-9で破ったのだ。

 初対戦から113年。ホームでの勝利はこれが初めてという快挙。それもNZをノートライに抑え込んでのものだ。2016年11月の米国・シカゴでの勝利に続く2勝目(1分け28敗)だった。

 アイルランドといえばかつては世界の強豪の中でも体が小さく、愚直にスピリットをほとばしらせる“魂のラグビー”で体の大きなイングランドや南半球勢に挑んだ。だが13年にNZ出身で53歳のジョー・シュミット監督が就任すると、一気に力をつけた。

 まず、FWが大型化した上によく走る。LOデビン・トナーは2メートル10と世界最大級の高さを誇る。スクラムも以前は軽量だったこともあり劣勢に回ることも多かったが、今では強みに変わった。安定したセットプレーから、多彩なBKのムーブを繰り出す。

 そのBKでは、CTBギャリー・リングローズが23歳、WTBジェイコブ・ストックデールは22歳と、才能あふれる若い逸材も加わった。1メートル91、103キロのストックデールは、5戦全勝で優勝した今春の欧州6カ国対抗で計7トライ。最優秀選手に選ばれた注目のヤングガンだ。彼らを操るのが世界最高の司令塔の一人、SOジョナサン・セクストン。ゲームの読みや、パス、キック、ランのスキルに加え、ゴールキッカーとしても卓越した能力を持つ。

 昨年来日して日本に2連勝したことを含め、ここ2年間のテストマッチは16勝3敗。最新世界ランキングは2位のままで変わらなかったが、NZとは前週の3・46ポイント差から1・37ポイント差まで肉薄。24日にNZがイタリアに敗れ(その可能性はかなり薄いが)、アイルランドが米国に勝つと(こちらは確実)、1-2位が逆転するかもしれない。本命か、対抗か、W杯優勝争いの主役にからんできた緑のジャージー。日本もこの1年で大きく成長してきたが、アイルランドの背中はなかなか近づいてくれない。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の57歳。

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