2018.11.14 11:30

【ラグビーコラム】学生リーグでは実施されていないHIAの早期導入を望む

【ラグビーコラム】

学生リーグでは実施されていないHIAの早期導入を望む

特集:
ノーサイドの精神
スーパーラグビー、サンウルブズ-レベルズの前半、脳しんとうで交代するサンウルブズ・山田章仁=2018年3月3日、秩父宮ラグビー場

スーパーラグビー、サンウルブズ-レベルズの前半、脳しんとうで交代するサンウルブズ・山田章仁=2018年3月3日、秩父宮ラグビー場【拡大】

 【ノーサイドの精神】ラグビーでは、脳しんとうによる身体への深刻な影響を配慮してHIA(ヘッド・インジュアリー・アセスメント)という制度がある。

 試合中にレフェリーが、脳しんとうの疑いがあると判断した選手は、ただちに退場して医師の診断を受けることになる。診断の結果、問題なければプレーに復帰できるが、脳しんとうだと診断されれば負傷交代になる。

 日本のトップリーグ(TL)では、2016年度より実施。この数年で、世界各国でも導入されてきた。以前もコラムで指摘したが、ラグビーが相手を抜き合うスポーツから激突する競技に変貌したことが、導入を加速させているのは間違いない。

 HIAが国内で導入されて3シーズンを迎えたが、疑問に思うことがある。いまだに学生リーグでは実施されていないのだ。関係者によると、脳しんとうを診断できる医師を、全試合に準備できないのが理由だという。トップレベルでの衝撃が深刻なのは当然だが、将来のある有望な学生、ユース世代の選手を守ることの重要さは、説明の必要はないだろう。

 体を鍛えあげるためのジムなどの環境を整えるTLだから、衝撃も深刻だという観点もあるだろう。だが、個々のチームにより体を鍛える環境もさまざまな大学生や高校生こそ、頭への衝撃は重大な問題になる。

 国内シーズンは、大学各リーグが佳境に入り、高校は全国各地で花園出場校が名乗りを上げている。選手にとっては、負けられない試合が続くことになる。だからこそ、1日も早いHIAの導入で、これから日本のラグビーを支える選手たちを守るべきだろう。脳への障害は、明日起きても不思議ではないのだから。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像 元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後から、サッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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