2018.9.5 10:00

復興途上の釜石でラグビーW杯の成功願う

復興途上の釜石でラグビーW杯の成功願う

特集:
女子社員コラム 言わせて系
奥に見えるのが釜石鵜住居復興スタジアムで、手前にはショベルカー。被災地の復興は道半ばだ

奥に見えるのが釜石鵜住居復興スタジアムで、手前にはショベルカー。被災地の復興は道半ばだ【拡大】

 【女子社員コラム 言わせて系】一足早い秋の訪れを感じる東北地方の岩手県へ、短い旅をしました。その目的は8月19日にオープンしたラグビーの釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングマッチ。東日本大震災から7年半がたちましたが、私にとっては初めての被災地への旅でした。

 金曜日の深夜に東京・池袋を出発した高速バスは気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石…と、この7年半ですっかり耳になじんだ東北地方の沿岸部を北上します。朝一番、寝ぼけ目に飛び込んできたのは「陸前高田市役所」の看板でした。バス通りに面した市庁舎はまだグレーのプレハブ群のままで、新聞やテレビを通しては伝わらない被災地の現実に、一瞬にして目が覚めました。

 ラグビーの街・釜石に完成した新スタジアムは、被災した小中学校の跡地に建設されました。緑の山に抱かれ、真っ白な帆船が帆を広げたようなフォルムで独特の風格を漂わせています。最初の観客の6500人の1人になれたのは感無量です。

 ただ、シャトルバスの駐車場からスタジアムまでの土地には、黄色のショベルカーが何台も並んでおり、試合後には山側の復興住宅に住民が歩いて帰る姿も見かけました。

 1年後に迫るラグビーのワールドカップ(W杯)ではフィジー対ウルグアイ戦などの開催が予定されています。W杯が地元の方にとっても素晴らしいものになるよう、願わずにはいられませんでした。

 試合前日には、釜石市内から車で20分ほどの尾崎白浜で、地元の若手漁師さん主催のカキツアーに参加しました。津波で大打撃を受けた集落ですが、東北の寡黙な漁師さんから被災についてのお話は一切なし。私たちが宿泊したホテルも2階まで浸水したようでしたが、当時の様子を知らせる表示などは皆無でした。

 決して多くのことが語られない被災地で行われるラグビーのW杯。スポーツに携わる者として、釜石、そして東北の復興の象徴となるよう、成功を強く信じています。(河野聖)

  1. サンスポ
  2. ラグビー
  3. ラグビーその他
  4. 復興途上の釜石でラグビーW杯の成功願う