『第68回クイーン賞』(JpnⅢ、ダート1800メートル)が11月30日、船橋競馬場で行われる。ダートグレード競走では珍しいハンデキャップ戦。今年はショウナンナデシコ、グランブリッジなど実績十分のJRA勢に、地方勢がハンデ差を生かして挑む。
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【見解】JBCレディスクラシックは2着に敗れたグランブリッジだが、末脚は目を引いた。斤量54キロなら負けられない。まさかの連敗を喫したショウナンナデシコはハンデ差が鍵も、能力上位は明らかだ。テリオスベルもはまれば重賞を勝つ力は十分にある。
◆グランブリッジ
3歳馬グランブリッジが早くもリスタートを切る。前走のJBCレディスクラシック(JpnⅠ)では同じ3歳のヴァレーデラルナにクビ差届かず2着。ダート女王の座は逃したが、鋭い伸びで古馬をまとめてかわした走りからも前途は明るいだろう。新谷功㆒調教師は「前走はよく頑張ってくれました。ただ、ゲートでつまずいたことに関して、その後いろいろ見直しながら調整を進めました。追い切りはイメージ通りでいい感じ。力は出せる仕上がりですね」と期待十分。斤量も54㌔と恵まれた印象で、きっちり勝利を手にして今後へつなげたい。
◆ショウナンナデシコ
ショウナンナデシコは威厳を取り戻せるか。今年はかしわ記念(JpnⅠ)を含め重賞4連勝を飾り、新たなダート女王誕生を予感させたが、秋2走はまさかの連敗。「ヨーイドンの形より、自分でレースを作っていきたい。牝馬同士なら力上位のはず。船橋は相性のいいコースなので、本来の走りをして巻き返してほしい」と須貝尚介調教師。ここも斤量57・5キロのトップハンデと条件は厳しいが、重賞2勝の船橋で復権を期す。
◆テリオスベル
交流重賞の近4走で差のないレースが続くテリオスベル。2走前のレディスプレリュード(JpnⅡ)では序盤に不利がありながらも、盛り返して2着に入り重賞級の力を示した。うまく自分の形に持ち込めればタイトル獲得が見えてくる。「舞台どうこうよりも、とにかく外枠が欲しい。スタートが遅いので、1コーナーの入りと3コーナーの運びが鍵になります。どこかで早めに先頭に立って持ち味を生かしたい」と田島俊明調教師。
◆ホウオウピースフル
初ダートのホウオウピースフルは、7月の巴賞で2年8カ月ぶりの勝利を飾った。復調気配にあるこのタイミングで新たな活躍の場を求めて参戦する。「前走はゲートを出てつまずき、後手に回ったのが痛かった。短期放牧を挟み、いい状態で出せそう。ダートは以前から使ってみたかった。今後に向け、選択肢を増やせるような競馬をしてほしいですね」と大竹正博調教師。
◆サルサレイア
サルサレイアは2年前のこのレースで3着。昨年も5着に追い上げたように、末脚を生かせる船橋コースは合っている。「前走は少しイレ込んでいたのが響いた。(ハンデ)51キロは歓迎だし、船橋1800メートルも合っている。ペースが向いてくれれば」と堀千亜樹調教師。
◆リネンファッション
昨年のJBCレディスクラシックで3着のリネンファッション。転入後は未勝利だが、強敵がそろった前走のオープンでは、逃げて0秒3差の4着と復調の兆しを見せた。ここも軽くは扱えない。
◆コスモポポラリタ
転入後は勝ち切れていないコスモポポラリタだが、東京プリンセス賞でスピーディキックのクビ差2着に追い込んだように地力は高い。相手なりに走るので、交流重賞のメンバーでも注意が必要だ。